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複素解析での特異点の種類 📂複素解析

複素解析での特異点の種類

定義

特異点 1

  1. 関数$f$が$\alpha$で$\mathcal{N}(\alpha)$の全ての点で微分可能なら、$\alpha$で解析的analyticだという。
  2. 関数$f$が$\alpha \in \mathbb{C}$では解析的ではないが、$\mathcal{N}(\alpha)$のいくつかの点で解析的な時、$\alpha$を$f$の特異点singular pointと呼ぶ。
  3. 特異点$\alpha$が$\alpha$を除く全ての点で解析的な$\mathcal{N}(\alpha)$が存在するなら、$\alpha$は孤立isolatedしているという。

  • $\mathcal{N}$は近傍を意味し、$\alpha$を含む開集合を指す。

種類

$\alpha \in \mathbb{C}$が$f$の特異点だとしよう。

  1. $\displaystyle \exists \lim_{z \to \alpha} f(z) \iff$$\alpha$は取り除けるremovable特異点だ。
  2. $\displaystyle \lim_{z \to \alpha} (z - \alpha)^n f(z) = k \ne 0 \iff$$\alpha$は**$n$次の極**pole of Order $n$だ。
  3. $\alpha$が極ではない、または分岐に関連している。$\iff$$\alpha$は本質的特異点essential singular pointだ。

説明

特に、極が$n=1$の時、単純極simple Poleと言う。

実際、非常に変態的なケースでなければ、普通は$f$が定義されていない点がそのまま特異点になる。

例えば、$\displaystyle f(z) = {{z - i} \over {(z^2+1)(z+i)}}$という場合、特異点は$z= \pm i$になるだろう。$\csc z$のケースでは、特に有限である必要はなく、$z = n \pi ( n \in \mathbb{Z} )$全てが特異点だ。一方で$\text{Log} z$は$z= 0$で特異点を持っており、上で挙げた例とは少し違う感じがするだろう。

  • $\displaystyle f(z) = {{z - i} \over {(z^2+1)(z+i)}}$で、$z = i$は取り除け、$z = -i$は$2$次の極だ。

  • $\displaystyle \lim_{z \to n \pi} {{ z - n \pi } \over {\sin z }} = 1$なので、$\csc z$の特異点は全て$1$次の極、即ち単純極だ。

  • 最後に、$\text{Log} z$では、$z = 0$は**分岐点**であるため、本質的特異点だ。

このような特異点の分類は一見何の意味もない定義の遊びのように思えるが、後に続く積分に関する議論では非常に重要な概念になる。


  1. Osborne (1999). Complex variables and their applications: p63. ↩︎