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ガンマ関数の単純極 📂関数

ガンマ関数の単純極

定理

複素関数としてのガンマ関数 Γ\Gamma定義域は以下の通りです。 C(ZN)=C{0,1,2,} \mathbb{C} \setminus \left( \mathbb{Z} \setminus \mathbb{N} \right) = \mathbb{C} \setminus \left\{ 0 , -1, -2, \cdots \right\} それだけでなく、Γ\Gamma の特異点の集合 (ZN)\left( \mathbb{Z} \setminus \mathbb{N} \right)単純極の集合です。

説明

可視化

上の図は実数軸でガンマ関数の実部のみをグラフに描いたもので、非正の整数で関数値が発散することが確認できます。

コード

以下は可視化のためのジュリアのコードです。

using SpecialFunctions, LaTeXStrings

z = -5:0.001:5
Γz = gamma.(Complex.(z))
plot(z, real.(Γz), lw = 2, color = :black, xticks = -5:1:5,
    xlims = [-5, 5], ylims = [-5, 5], size = [400, 400])
hline!([0], color = :black)
vline!(-5:0, style = :dash, color = :red)
xlabel!(L"\Re(z)")
ylabel!(L"\Re(\Gamma (z))")

証明

オイラーの反射公式: Γ(1p)Γ(p)=πsinπp {\Gamma (1-p) \Gamma ( p )} = { {\pi} \over {\sin \pi p } }

Re(z)>0\Re (z) > 0 においてガンマ関数 Γ(z)=0tz1etdt\Gamma (z) = \int_{0}^{\infty} t^{z-1} e^{t} dt00 ではない値でよく定義されます。オイラーの反射公式の両辺で Γ(z)\Gamma (z) を割ると次のようになります。 Γ(1z)=πΓ(z)sinπz \Gamma (1-z) = {\frac{ \pi }{ \Gamma (z) \sin \pi z }} z=1z = 1 を代入すると Γ(0)=Γ(11)=πΓ(1)sin0π=π0!0= \Gamma (0) = \Gamma (1-1) = {\frac{ \pi }{ \Gamma (1) \cdot \sin 0 \pi }} = {\frac{ \pi }{ 0! \cdot 0 }} = \infty になり、z=2z = 2 を代入すると Γ(1)=Γ(12)=πΓ(2)sin1π=π1!0= \Gamma (-1) = \Gamma (1-2) = {\frac{ \pi }{ \Gamma (2) \cdot \sin 1 \pi }} = {\frac{ \pi }{ 1! \cdot 0 }} = \infty になります。このような発散はすべての z{0,1,2,}z \in \left\{ 0, 1, 2, \dots \right\} で同じなので、Γ\Gamma はすべての非正の整数で特異点を持ち、それらすべての特異点は分母に sinπz\sin \pi z が一つだけあるので単純極です。