プランシェレルの定理
要旨
全ての$f,g \in L^{2}$に対して、以下の式が成り立つ。
$$ \begin{align} \langle \hat{f},\hat{g} \rangle &= 2\pi \left\langle f,g \right\rangle \\[1em] \| \hat{f} \|_{2}^{2} &= 2\pi \| f \|_{2}^{2} \end{align} $$
ここで$\hat{f}$は、$f$のフーリエ変換である。
説明
積分形で表すと、次のようになる。
$$ \begin{align} \int \overline{f(x)}g(x)dx &= \dfrac{1}{2\pi} \int \overline{\hat{f}(\xi)} \hat{g}(\xi) d\xi \tag{1} \\[1em] \int \left| f(x) \right|^{2} dx &= \dfrac{1}{2\pi} \int | \hat{f}(\xi) |^{2} d\xi \end{align} $$
$f$のフーリエ変換を定義する過程を見ると、$f$は$L^{1}$関数でなければならず、$L^{1}$関数であればいい。しかし、私たちは$L^{1}$空間だけでなく$L^{2}$空間でもフーリエ変換を自由に使用したい。$L^{2}$空間は、ルベーグ空間の中でも唯一のヒルベルト空間であるので、この問題の重要性は言うまでもない。プランシェレルの定理は、それが実際に可能であり、フーリエ変換という作用素$\mathcal{F}$を次のように扱ってもよいと言っている。
$$ \mathcal{F} : L^{2} \to L^{2} $$
また、フーリエ変換をどのように定義するかによって、$(1)$、$(2)$の前の定数が消えたり$\sqrt{2\pi}$が代わりにつくなどの変化があるかもしれない。式$(2)$は、フーリエ変換に関するパーセバルの定理とも言われる。