離散対数問題が容易に解決される条件
📂整数論離散対数問題が容易に解決される条件
要旨
グループ G=Fp の要素 g がオーダー N であるとしよう。すると、離散対数問題 gx=h は、次の条件下では比較的簡単に解かれることになる。
- (i): p がスムーズ素数である。
- (ii): p≡3(mod4) と a がモジュロ p に関する二次剰余である。
証明
(i)
p がスムーズな素数であれば、ポーリグ・ヘルマンアルゴリズムを利用できるため、離散対数問題は比較的簡単に解かれる。
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(ii)
x2≡a(modp)
a がモジュロ p に関する二次剰余であるということは、上記合同方程式を満たす解が存在するということである。もし素数 p を 4 で割った余りが 3 であれば、
b≡a(p+1)/4(modp)
ある a≡g2k(modp) に対して、
b2≡≡≡≡≡≡a2p+1(g2k)2p+1g(p+1)kg2k+(p−1)ka⋅(gp−1)ka(modp)(modp)(modp)(modp)(modp)(modp)
よって、与えられた合同方程式の解となる。この公式により、a の平方根を非常に速く見つけ出すことができ、そこで離散対数問題は比較的簡単に解かれるようになる。
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関連項目
離散対数問題の難しさを利用したセキュリティアルゴリズム
離散対数問題への攻撃アルゴリズム