(⟹)
dimX=nとすれば、Xの基底{e1,⋯,en}が存在する。関数f:(Cn,∥⋅∥1)→(X,∥⋅∥)をf(λ1,⋯,λn):=λ1e1+⋯+λnenのように定義すれば、fは連続な全単射だ。
Cnの閉単位球B∥⋅∥1(0;1)={(λ1,⋯,λn)∈Cn ∣ ∣λ1∣+⋯+∣λn∣≤1}はハイネ・ボレルの定理によりコンパクトだ。fは連続なので、f(B∥⋅∥1(0;1))もコンパクトだ。
一方で∥λ1e1+⋯+λnen∥≤∣λ1∣+⋯+∣λn∣であるから、B(0;1)⊂f(B∥⋅∥1(0;1))である。B(0;1)はコンパクト集合f(B∥⋅∥1(0;1))の閉じた部分集合であるため、コンパクトだ。
(⟸)
0<ε<1としよう。
B(0;1)はコンパクトなので、オープンカバーx∈B(0;1)⋃B(x;ε)に対してB(0;1)⊂i=1⋃mB(xi;ε)を満たす有限のサブカバーが存在する。M:=span{x1,⋯,xn}としよう。
B(0;1)⊂i=1⋃mB(xi;ε)は、B(0;1)⊂m∈M⋃B(m;ε)が成立するということだ。元からm∈span{x1,⋯,xn}だから、球の直径εをいくら小さく設定しても、この包含関係は継続して成立する。従って、k∈Nに対して
B(0;1)⊂m∈M⋃B(m;ε)⊂m∈M⋃B(m;ε2)⊂⋯⊂m∈M⋃B(m;εk)
今、ゼロベクトルでない任意のx∈Xを考えると、あるyk∈M、zk:=B(0;εk)に対して
∥x∥x=yk+zk
k→∞の時、zk→0だから
yk=∥x∥x−zk→∥x∥x∈M=M
つまりx∈Mだから、X⊂Mであり、M⊂Xだから
X=span{x1,⋯,xn}
従って、Xは有限次元ベクトル空間だ。