エンタルピー、ヘルムホルツの自由エネルギー、ギブスの自由エネルギー
定義
エンタルピーenthalpy$H$は以下のように定義される。
$$ H := U + PV $$
ヘルムホルツの関数helmholtz function$F$は以下のように定義される。
$$ F := U - TS $$
ギブスの関数gibbs function$G$は以下のように定義される。
$$ G := H - TS $$
説明
エンタルピーはエントロピーにほぼ匹敵するほど知られている関数だが、主に重視される分野は化学だ。物理においては、その物理的な意味を必死に理解するよりも、これら三つを一組として代数的に操作するくらいで十分だ。熱力学の第一法則から導出される内部エネルギーの表現を考えれば、数式的な快適さを感じられる。
- 内部エネルギー: $dU = T dS - p dV$
- エンタルピー: $dH = T dS + V dp$
- ヘルムホルツの関数 $dF = -S dT - p dV$
- ギブスの関数: $dG = -S dT + V dp$
三角関数と双曲線関数の複素数表現を思い出させる美しさを誇る。導出は内部エネルギーを導くのと同じように自然にエンタルピーを導き出し、その次も自然に続くレベルで、全く難しくない。