コンパクト空間と連続関数の有用な性質들
定理
$f : X \to Y$について、$X$がコンパクトで、$f$が連続だとしよう。
- [2]: $Y$がハウスドルフならば、$f$は閉関数だ。閉集合$C \subset X$に対して、$f(C) \subset Y$も閉集合である。
説明
些細な性質ばかりのように感じるかもしれないが、最大最小値の定理を証明する時など、利用される場面は多い。
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[2]
閉集合に関する話をしているが、ハウスドルフに関する話なので、広く使える。どんな距離空間も$T_{2}$空間であるから、通常は成り立つと見て良い。
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条件は多いが、位相同型写像の定義では逆関数も連続であることが含まれている点がポイントだ。逆関数の連続性を直接確認するよりも、定義域と値域の位相的性質を把握する方が簡単ならば、非常に有用である。
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一様連続は本来、距離空間でのみ論じる概念だが、$X$がコンパクト空間になると、$f$が連続性だけでなく、一様連続性まで保証されるため、有用である。コンパクトと連続は、非常に異なる概念からスタートしているが、このように多様な形で深く絡み合っており、切り離すことができない。