関数の原像
📂集合論関数の原像
定義
関数 f:X→Y と B⊂Y について、f−1(B):={x∈X ∣ f(x)∈B} を f による B の原像または逆像という。
解説
表記は似ているが、定義だけで逆像と逆関数が関係しているとは言えず、これらを混同してはならない。
韓国語で話すときは逆像が自然だが、英語では[プレイメージ]が自然と感じる人がいるだろう。これは、逆を意味する漢字が単に「どこから来たか」という逆像の概念によく合うのに対して、上で述べたように[インバース]という言葉は逆関数を連想させるため、意識的に使うのを避けるからだ。もちろん、単に[プレイメージ]が発音しやすいのでよく使われる、前置詞としての「元」が馴染みがないので使わない、などの単純な理由もある。
基本性質
- [1] 空集合:
f(∅)=∅
- [2] 単元素集合:
x∈X⟹f({x})={f(x)}
- [3] 単調性:
A⊂B⊂X⟹f(A)⊂f(B)C⊂D⊂Y⟹f−1(C)⊂f−1(D)f(X)⊂Y⟺X⊂f−1(Y)
- [4] 和集合:
fγ∈Γ⋃Aγ=γ∈Γ⋃f(Aγ)f−1γ∈Γ⋂Aγ=γ∈Γ⋂f−1(Aγ)
- [5] 交差点:
f−1γ∈Γ⋃Aγ=γ∈Γ⋃f−1(Aγ)fγ∈Γ⋂Aγ⊂γ∈Γ⋂f(Aγ)
- [6] 差集合:
f(A)∖f(B)⊂f(A∖B)f−1(C)∖f−1(D)=f−1(C∖D)
特に [5]、[6]では、関数は交差点をそのまま保持できないことに注意。等号を満たすためには、f が単射でなくてはならない。
全単射と逆関数の概念は繰り返しを通じて慣れることができるが、逆像に関しては、できるだけ早く、正確に学ぶ必要がある。逆像を大まかに理解しておいても、すぐに線形代数学におけるゼロ空間に対する直感が落ち、そのまま抽象代数学まで影響を及ぼす。関数の像とは異なる性質が多いので、ただ反対だと思って見過ごすのではなく、ちゃんと勉強して、しっかり理解するようにしよう。