位相数学における部分基底
定義 1
位相空間 に対して、 とする。
が の基底になる時、 を の部分基底subbasisという。
説明
部分基底を受け入れにくい理由は、通常数学で「部分」と付ける時は、部分集合でありながら元の性質を保持するからだ。例えば、部分群は、部分集合が群の条件を満たす時、部分空間は、部分集合が空間の条件を満たす式である。この意味で、部分基底は概念よりもその用語が混乱させると言えるだろう。
まず定義上、 が部分基底になったら、基底 に対する部分集合、すなわち は自明である。しかし は、全ての有限交差の集合として を構成しなければならないので、基底としてはまだ未熟であると表現することもできる。
むしろこれまでの数学を考えると、部分基底は基底の基底になると言うのがもっと自然なことだ。問題は、「部分」ということを納得したとしても、依然として部分基底の定義自体が複雑で奇妙だということである。こうした面については、ただ後で位相空間の積のために学ぶべきこととして受け入れるのが楽だ。それについてある程度勉強すれば、なぜ有限交差を考えるのかも理解できるようになるだろう。
さて、例を見て、概念を少しでも掴もう。
例
が距離空間 の部分基底であることを示せ。
解答
二つの開区間 と の交差として、全ての開区間 の集合を形成できるので、 は部分基底となる。
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Munkres. (2000). Topology(2nd Edition): p82. ↩︎