自明位相と離散位相
定義 1
ある集合 $X$ が与えられた時、自明位相trivial Topology $\left\{ \emptyset , X \right\}$ をこの空間に与えたら、その空間は最も小さな空間であり、自明空間と言う。逆に、離散位相discrete Topology $\mathscr{P}(X)$ を与えたら、その空間は最も大きな空間であり、離散空間と言う。
シェルピンスキー空間
$S : = \left\{ 0, 1 \right\}$ の位相が $\mathscr{T} : = \left\{ \emptyset , \left\{ 1 \right\} , \left\{ 0, 1 \right\} \right\}$ ならば、$S$ をシェルピンスキー空間sierpinski spaceと言う。
シェルピンスキー空間とは、要素がたった二つの集合でその位相が自明位相でも離散空間でもない空間のことです。要素が $0$ か $1$ かの選択が変わるだけで本質的には同じで、区別する意味がありません。こんな位相では、$\left\{ 1 \right\}$ は開集合で、$\left\{ 0 \right\}$ は閉集合です。
シェルピンスキー空間の値域
$$ \emptyset ' = \emptyset \\ \left\{ 1 \right\} ' = \left\{ 0 \right\} \\ \left\{ 0 \right\} ' = \emptyset \\ \left\{ 1,0 \right\} ' = \left\{ 0 \right\} $$
$0$ と $1$ を合わせたような $\emptyset$ の見た目が、数学的な美しさを極大化する例である。位相数学に初めて接するなら、上の結果が本当かどうか自分で証明してみることをお勧めする。特別な技術なしに定義に従って計算し、列挙するだけで簡単に確認できます。
Munkres. (2000). Topology(2nd Edition): p77. ↩︎