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微分幾何学における曲面と領域の境界 📂幾何学

微分幾何学における曲面と領域の境界

リージョン1

曲面 $M$ の部分集合 $\mathscr{R}$ を考えよう。$\mathscr{R}$ が開集合であり、$\mathscr{R}$ の任意の二点に対して、それらを含む $\mathscr{R}$ 上の曲線が存在する場合、$\mathscr{R}$ を $M$ のリージョンregion と呼ぶ。

境界

曲面 $M$ のリージョン $\mathscr{R}$ に対して、次の集合 $\partial \mathscr{R}$ を $\mathscr{R}$ の境界boundary と呼ぶ。

$$ \partial \mathscr{R} = \left\{ p \notin \mathscr{R} : \exists \left\{ p_{j} \right\} \subset \mathscr{R} \text{ such that } \lim\limits_{j \to \infty} p_{j} = p \right\} $$

リージョンを囲む曲線

曲線 $\boldsymbol{\gamma}$ のイメージがリージョン $\mathscr{R}$ の境界であり、$\boldsymbol{\gamma}$ の固有の法線 $\mathbf{S}$ が $\mathscr{R}$ の内側を向きつつ$-\mathbf{S}$が外側を向くとき、$\boldsymbol{\gamma}$ がリージョン $\mathscr{R}$ を囲むA curve $\boldsymbol{\gamma}$ bounds a region $\mathscr{R}$と言う。

説明

$\mathbf{S}$ がリージョンの内側を向くということは、曲線が反時計回りに回転する必要があることを意味する。例えば、曲面 $M = \mathbb{R}^{2}$ に対して、$\mathscr{R} = \left\{ (x,y) \in \mathbb{R}^{2} : x^{2} + y^{2} \lt 1 \right\}$ は $M$ のリージョンである。また、曲線 $\boldsymbol{\alpha}(\theta) = (\cos \theta, \sin \theta)$ は $\mathscr{R}$ の境界である。

一方で、下の右の図のようなトーラス $T^{2}$を曲面 $M$ としよう。$\boldsymbol{\gamma}$ のイメージ以外のすべての点をリージョン $\mathscr{R}$ とすると、$\mathscr{R}$ の境界は $\boldsymbol{\gamma}$ のイメージになる。しかし、曲線 $\boldsymbol{\gamma}$ の $-\mathbf{S}$ が $\mathscr{R}$ の外側ではなく内側を向いているため、$\boldsymbol{\gamma}$ が $\mathscr{R}$ を囲まないと言われる。


  1. Richard S. Millman and George D. Parker、Elements of Differential Geometry (1977)、p180-181 ↩︎