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球の立体角 📂幾何学

球の立体角

定義1

半径が$r$、表面積が$A$の3次元セクターの立体角$\Omega$を以下のように定義する。

$$ \Omega := \dfrac{A}{r^{2}} $$

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単位はステラジアンと言い、$\mathrm{sr}$と表記される。

説明

円の中のラジアン角度が半径に対する弧の比率で定義されることを考えると、自然な定義である。

$$ \theta := \dfrac{s}{r} $$

2.jpg

しかし、分母に$r$の代わりに$r^{2}$が入る理由は、弧は半径に比例するが、表面積は半径の二乗に比例するためである。球の表面積が$4\pi r^{2}$であるため、立体角は$4\pi$である。

$$ \Omega = \dfrac{4 \pi r^{2}}{r^{2}} = 4\pi $$

これは球面座標系の体積積分で半径を除いてすべての角度に対して積分したものと同じであるため、立体角がうまく定義されていることがわかる。

$$ \begin{align*} \int_{\theta=0}^{\pi} \int_{\phi=0}^{2\pi}\sin\theta d\theta d\phi = 4\pi \end{align*} $$

以下の画像のように、半径が$r=1$の単位球を考えてみよう。ここで、特定の方向は$z$軸を指す。

3.jpg

すると、角度が$\theta$の3次元セクターの立体角は以下のようになる。

$$ \Omega (\theta) = \dfrac{A}{r^{2}} = A = \int_{\theta ^{\prime} = 0}^{\theta}\int_{\phi=0}^{2\pi} \sin \theta d\theta d\phi = 2\pi (1-\cos\theta) $$

したがって、次が成り立つ。

$$ \dfrac{d\Omega}{d\theta} = 2\pi \sin \theta \implies d\Omega = 2\pi \sin\theta d\theta $$

だから、球面座標系での積分が多い物理学では、以下のような表記をよく使う。

$$ \int_{0}^{\pi} 2\pi \sin\theta d\theta = \int_{0}^{4\pi} d\Omega = 4\pi $$


  1. Stephen J. Blundell and Katherine M. Blundell, 熱物理学の概念(Concepts in Thermal Physics、イ・ジェウ訳)(第2版、2014年)、p72-73 ↩︎