ベクトルの内積
📂行列代数ベクトルの内積
定義
大きさがn×1の二つの列ベクトルu、v ∈Rnの内積inner productを以下のように定義する。
u⋅v:=uTv=u1v1+u2v2+⋯+unvn
u、v ∈Cnの場合は、以下のようになる。
u⋅v:=u∗v=u1∗v1 +u2∗v2 +⋯+un∗vn
ここで、uはuの共役転置である。二つのベクトルu、vが次の方程式を満たす時、uとvが直交orthogonalすると言い、u⊥vと表される。
u⋅v=0
列ベクトルvのノルムnormまたは長さlengthを以下のように定義する。
∥v∥:=v⋅v
ノルムが1のベクトルを単位ベクトルunit vecterと呼ぶ。二つのベクトルu、vの距離をd(u.v)として表し、以下のように定義する。
d(u,v):=∥u−v∥=(u−v)⋅(u−v)=(u−v)∗(u−v)
説明
座標空間で二つのベクトルの内積は行列の積として再表現されたものと、複素数まで拡張したものに過ぎない。したがって、(EuclideanIP)をユークリッド内積Euclidean inner productまたは標準内積standard inner productと呼ぶ。だから、内積の記法には⋅を使うこともあるが、一般的な内積の記法は以下のようである。
⟨u,v⟩
定義により、実数行列の場合はu⋅v=v⋅uが成立し、複素数行列の場合はu⋅v=v⋅uが成立する。
内積の核心的な概念は「同じ成分同士を掛け合わせて全てを足す」であり、これをn×n行列に対して一般化すると以下のようになる。
性質
Aをn×n実数行列、u,vをn×1実数行列とする。すると、次の式が成立する。
Au⋅vu⋅Av=u⋅ATv=ATu⋅v
複素数行列の場合、次の式が成立する。
Au⋅vu⋅Av=u⋅A∗v=A∗u⋅v
証明
四つの式の証明方法は同じだから、最初の式の証明だけ紹介する。
転置行列の性質により、以下が成立する。
Au⋅v=(Au)Tv=(uTAT)v=uT(ATv)=u⋅ATv
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参照