ローラン級数の主要部分と特異点の分類
概要 1
ローラン展開の主要部主要部を良く見ると、特異点の種類を理解できる。
$\alpha$を関数$f:A\subset \mathbb{C} \to \mathbb{C}$の孤立した特異点とする。このローラン展開 $$ f(z) = \sum_{n = 0 }^{\infty} a_{n} (z-\alpha) ^{n} + \sum_{n = 1 }^{\infty} { {b_{n} } \over{ (z-\alpha) ^{n} } } $$ において、数列$b_{n}$は下記の性質を持つ。
定理
- [1]: 全ての$n$に対し、$b_{n}=0$ $ \iff$ $\alpha$は取り除ける特異点である。
- [2]: ある$m$に対し、$b_{m} \ne 0$であり、$b_{m+1} = b_{m+2} = \cdots = 0$ $\iff$ $\alpha$は$m$次の極である。
- [3]: 全ての$k$ではないが、$b_{k} \ne 0$を満たす$k$が無限に存在する。$\iff$ $\alpha$は本質的な特異点である。
説明
証明はそこまで重要ではなく、事実も知っておいて損はない。それでも時々、こういう事実が役立つこともあるので、余裕があれば覚えておき、なければ、こんな事実があったという程度に知っておこう。
Osborne (1999). Complex variables and their applications: p143. ↩︎