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空間プロセス 📂統計的分析

空間プロセス

定義 1

特に$r > 1$の時、ユークリッド空間の固定された部分集合$D \in \mathbb{R}^{r}$に対して、以下の$p$-変量ランダムベクトル集合$Y(s) : \Omega \to \mathbb{R}^{p}$を空間過程とも呼ぶ。 $$ \left\{ Y(s) : s \in D \right\} $$ 特に空間過程が有限集合で、次のようにベクトルで表現される時は、ランダムフィールドと呼ぶ。 $$ \left( Y \left( s_{1} \right) , \cdots , Y \left( s_{n} \right) \right) $$

説明

特に空間データの中でポイント参照データを扱う時には、$Y(s)$は$s$に対して連続的にサンプリングできると仮定するが、実際に得られる実現の$D = \left\{ s_{1} , \cdots , s_{n} \right\}$は有限集合だろう。

大学の確率過程論の授業では、通常$r = p = 1$と$[ 0 , \infty ) \subset \mathbb{R}$に関する次のような確率過程だけを学ぶ。 $$ \left\{ Y_{t} : t \in [ 0 , \infty ) \right\} $$ こうして時系列データに対する背景のような感じで確率過程に触れてきたなら、空間過程の定義は多少戸惑うかもしれない。しかし、一般的な確率過程の定義はただ「ランダムエレメント集合」で十分なので、$\left\{ Y(s) \right\} _{s \in D}$を確率過程と呼ばない理由はない。

空間過程を時間過程の一般化と呼ぶよりは、最初から彼らは区別されていなかったと言った方が正しい。よく分からなければ、時系列を扱う時の時間だけの1次元軸$\mathbb{R}^{1}$もちゃんとしたユークリッド空間だと思い出すといい。よく考えてみれば、時間$t \in \mathbb{R}$の流れに沿う確率'過程'自体も、日常用語とそんなに通じなかったから、空間'過程'という表現にあまり違和感を持たなくてもいい。


  1. Banerjee. (2003). Hierarchical Modeling and Analysis for Spatial Data: p23. ↩︎