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3の倍数判定法と9の倍数判定法の証明 📂整数論

3の倍数判定法と9の倍数判定法の証明

定理

各桁の数字を全部足して $3$ の倍数なら $3$ の倍数で、$9$ の倍数なら $9$ の倍数だ。

説明

例として

  • $8142$ は $8142=3 \cdot 2714$ で $3$ の倍数で、実際に $8+1+4+2=15$ は $3$ の倍数だ。
  • $1945125$ は $1945125=9 \cdot 216125$ で $9$ の倍数で、実際に $1+9+4+5+1+2+5=27$ は $9$ の倍数だ。

倍数判定法は現代においてはあまり意味がなくなったが、依然として興味深いツールである。$2,4,5,8$ の倍数は判定がとても簡単だが、$3, 7, 9, 11$ などの数に対しては別の証明が必要だ。幸いにも7を除いては、証明も理解も簡単な方だ。

証明

戦略:証明の肝は、10のべき乗を1と99..99に分けて各桁の数字のみを考えることだ。この投稿では、証明時の便宜のために以下のような記法を使用することにする。

$$ [a_{n} a_{n-1} … a_{1} a_{0}]= a_{n} \cdot 10^{n} + a_{n-1} \cdot 10^{n-1} +…+ a_{1} \cdot 10^{1} + a_{0} \cdot 10^{0} $$ 例えば、$5714$ は以下のように表すことができる。 $$ [5714]=5000+700+10+4=5\cdot 10^{3} +7\cdot 10^{2} +1\cdot 10^{1} +4\cdot 10^{0} $$ 証明が分からなければ、実際の例を見ながら考えてみるのが良い。


$$ \begin{align*} & [a_{n} a_{n-1} … a_{1} a_{0}] \\ =& a_{n} \cdot 10^{n} + a_{n-1} \cdot 10^{n-1} +…+ a_{1} \cdot 10^{1} + a_{0} \cdot 10^{0} \\ =& a_{n} \cdot \left( 10^{n} -1 \right) + a_{n-1} \cdot \left( 10^{n-1} -1 \right) + \cdots + a_{1} \cdot \left( 10^{1} -1 \right) \\ & + a_{0} +\left( a_{n} + a_{n-1} +…+ a_{1} \right) \\ =& \sum_{k=1}^{n} a_{k} \left( 10^{k} - 1 \right) + \sum_{k=0}^{n} a_{k} \end{align*} $$

ここで $10^{n} -1=[99…99]$ は $3$ と $9$ の倍数である(例えば、$10^{3} -1=999$)。だから、$\displaystyle \sum_{k=0}^{n} a_{k}$ が3の倍数なら、$[a_{n} a_{n-1} … a_{1} a_{0}]$ も3の倍数だ。同様に、$\displaystyle \sum_{k=0}^{n} a_{k}$ が9の倍数なら、$[a_{n} a_{n-1} … a_{1} a_{0}]$ も9の倍数だ。