ヒルベルト空間における弱収束
📂ヒルベルト空間ヒルベルト空間における弱収束
定義
(H,⟨⋅⟩)をヒルベルト空間、{xn}をHの数列としよう。全てのy∈Hに対して下の式が成り立つ時、{xn}は弱収束するconverge weaklyと言い、xn⇀xと表す。
⟨xn,y⟩→⟨x,y⟩,∀y∈H
weakのwから、次のように表記することもある。
xn→wx
または、
xn→xweakly
と表記する。
説明
弱収束ではないことを強調するために、通常の収束を強く収束するとも言う。つまり、
= = xn converges to xxn converges in norm to xxn converges strongly to x
一方で、弱収束という命名は、実際に収束を保証しないためである。逆に、ノルム収束は距離空間での収束と本質的に同じであるため、多くの場合、ノルム収束と収束を厳密に区別しない。ノルム空間では、距離を次のように定義できる。
d(x,y):=∥x−y∥,x,y∈H
すると、n→∞limxn=xを満たす{xn}に対して、
n→∞limd(xn,y)=d(xn,y)⟺n→∞lim∥xn−y∥=∥x−y∥
が成り立つ。しかし、内積の場合には成り立たないことがわかる。コーシー・シュワルツの不等式により、次の式を得る。
∣⟨xn,y⟩∣≤∥xn∥∥y∥
だから、
n→∞lim∥xn−x∥=0⟹ ⟸n→∞lim⟨xn−x,y⟩=0, ∀y∈H
がわかる。
xn→x⟹xn⇀x
証明
xn→xと仮定しよう。それから、コーシー・シュワルツの不等式により、
∣⟨xn,y⟩−⟨x,y⟩∣=∣⟨xn−x,y⟩∣≤∥xn−x∥∥y∥
n→∞lim∥xn−x∥=0と仮定しているので、
n→∞lim∣⟨xn,y⟩−⟨x,y⟩∣=n→∞lim∥xn−x∥∥y∥=0
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