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ラッセルの逆理 📂集合論

ラッセルの逆理

逆説 1

もし全ての集合の集合 $\mathscr{U}$ が存在すれば、ある集合 $R$ が $\mathscr{U}$ の要素でありながら自分自身の要素ではない。

説明

紀元前6世紀、クレタ出身の哲学者 エピメニデス はこのように言った:

“全てのクレタ人は嘘つきだ!”

エピメニデスの主張が真であれば、エピメニデスもクレタ人なのでこの主張は偽になる。しかし、この主張が偽であればエピメニデスは嘘つきであるため、その主張は矛盾せずに真となる。論理で「全て」という言葉はこのように危険なのだ。

1874年から1884年までの カントール の研究は後に集合論と呼ばれるものの原型であった。当時は学界の反発が激しく、精神崩壊するほどだったが、1902年にバートランド・ラッセルがこの逆説を発表した時、カントールの集合論は既に数学全般で基礎として核心になっていた。カントールの生涯は不幸だったが、彼の理論が学界を飲み込むのに20~30年しかかからなかった。偉大な数学者 ヒルベルト は「誰もカントールが作った楽園から私たちを追い出すことはできない」と言った。集合の概念なしに厳密な数学を想像することすら難しくなったのだ。

このような状況で発表されたラッセルの逆説は、文字通りその時の数学の基盤を揺るがした。ラッセルが見つけた矛盾が自分が扱っている集合にもあったらどうする?このような逆説が発生する条件を見つけ出せなければ、全ての研究はいつも不安を抱えたままになる。数学が愛して誇る厳密さは、証明の最初の行から崩壊し、どんな結果を出してもその中にラッセルの逆説が潜んでいる危険があるのだ。

$R:= \left\{ S \in \mathscr{U} : S \notin S \right\}$ がどのように問題を起こすか見てみよう:

  • もし$R \in R$なら、$R \notin R$でないため、$S = R \in \mathscr{U}$は$(S \notin S)$の条件を満たさず、$R$に含まれることができない。つまり$R \notin R$。
  • もし$R \notin R$なら、$R$は$(S \notin S)$の条件を満たして$R$に含まれる。だから、$R \in R$である。
  • しかし、排中律2によれば$R \notin R$でありながら$R \in R$であることはできない。

上の短い論証を通して、「全ての集合の集合」のようなものが存在するという前提自体が誤っていることが分かる。これを保証するためにも分類公理形正則性公理が必要であり、学者たちは既存の未熟な集合論naive Set theoryから脱却して、より厳密な公理系を求めるようになった。


  1. 이흥천 역, You-Feng Lin. (2011). 집합론(Set Theory: An Intuitive Approach): p121. ↩︎

  2. 동시에 참이면서 거짓일 수는 없다. ↩︎