集合の包含関係
定義 1
$$ A \subset B \iff \forall x (x\in A \implies x \in B) $$ 任意の集合 $A$、 $B$ について、$A$ の全ての要素が $B$ の要素である場合、$A$ は $B$ の部分集合subset、 $B$ は $A$ の上位集合supersetと言い、$A \subset B$ として表される。
解説
$A \subset B$ であり $B \not\subset A$ である場合、$A$ を $B$ の真部分集合proper Subsetと言い、$A \subsetneq B$ として表される。
細かい注意点として、$A \subset B$ は $A$ が $B$ に含まれると言い、$a \in A$ は $a$ が $A$ に属すると言うことである。これが同じに見えるかもしれないが、実際の言語の習慣では混乱が生じやすいし、意味が通じていれば無理に突っ込む人はほとんどいない。しかし、包含関係は集合同士で定義されたものであり、$a \in A$ を「集合と要素の所属関係」とは言わない点は、知っておくべき違いである。
定理: 包含関係の推移性transitivity
任意の集合 $A$、 $B$、 $C$ に対して $$A \subset B \land B \subset C \implies A \subset C$$
証明
仮定により、 $$ A \subset B \iff \forall x (x\in A \implies x \in B) \\ B \subset C \iff \forall x (x\in B \implies x \in C) $$ 三段論法によると、 $$ \forall x (x\in A \implies x \in C) \iff A \subset C $$
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金星町 訳、You-Feng Lin. (2011). 集合論(Set Theory: An Intuitive Approach): p77. ↩︎