物理学におけるオイラー‐ラグランジュ方程式
📂古典力学物理学におけるオイラー‐ラグランジュ方程式
概要
この記事は、読者が古典力学のカテゴリー、具体的にはラグランジュ力学とハミルトンの最小作用の原理を読んだという前提で書かれています。可能な限り重複する記法や内容も再説明しますが、説明されていない記法はリンクを参照してください。
運動の経路にわたるラグランジアンの積分を作用と言い、Jで表されます。位置をyとすると、
J=∫t1t2Ldt=∫t1t2L(y′(t), y(t), t)dt
この場合、実際の物体の運動経路に対してこの作用が最小値を持つことがハミルトンの原理です。
オイラー・ラグランジュ方程式
作用が極値(極大または極小)を持つ実際の運動経路のラグランジアンLは、次の方程式を満たします。
∂y∂L−dtd(∂y′∂L)=0
この方程式はオイラー・ラグランジュ方程式Euler-Lagrangeと言います。
説明
重要な点は、その逆が成り立たないことです。極大や極小で微分すると0となりますが、微分して0であったとしても、それが極大や極小を意味するわけではありません。微分して0であれば、変曲点の可能性もあります。同様に、実際の運動経路はオイラー・ラグランジュ方程式を満たしますが、オイラー・ラグランジュ方程式を満たすすべての経路が実際の運動経路であるわけではありません。
証明

可能な任意の運動経路をy(α,t)=y(0,t)+αη(t)としましょう。ここでy(0,t)は実際の運動経路です。また、すべての経路の始点と終点は同じなので、η(t1)=η(t2)=0が成り立ちます。そして、任意の運動経路に対するラグランジアンとそれに対する作用を次のように考えます。
L=L(y(α,t)′, y(α,t), t)
J(α)=∫t1t2L(y(α,t)′, y(α,t), t)dt
y(α,t)はα=0のとき実際の運動経路となり、実際の運動経路のとき作用は極値を持つので、α=0で微分すると0となります。
∂α∂Jα=0=0
この式は、教科書や他の資料で簡単にδJ=0として表されます。(δ=∂α∂) 実際に上記の微分を計算すると、以下の式が得られます。
∂α∂J=∂α∂∫t1t2L(y(α,t)′, y(α,t), t)dt=∫t1t2∂α∂L(y(α,t)′, y(α,t), t)dt=∫t1t2(∂y′∂L∂α∂y′+∂y∂L∂α∂y+∂t∂L∂α∂t)dt
このとき、y′の′は、tに対する微分を意味することに注意してください。y(α,t)=y(0,t)+αη(t)であるため、y′(α,t)=y′(0,t)+αη′(t)が成り立ちます。したがって、以下のようになります。
∂α∂y′=η′(t),∂α∂y=η(t),∂α∂t=0
tとαは独立変数なので、微分すると0となります。したがって、以下のようになります。
∂α∂J=∫t1t2(∂y′∂Lη′(t)+∂y∂Lη(t))dt
最初の項だけを部分積分で計算すると、その結果は以下のようになります。
∫t1t2∂y′∂Lη′(t)dt=∂y′∂Lη(t)]t1t2−∫t1t2dtd(∂y′∂L)η(t)dt=−∫t1t2dtd(∂y′∂L)η(t)dt
定積分項が消える理由は、η(t1)=η(t2)=0だからです。これを元の式に代入し、η(t)に関して整理すると、次の式が得られます。
∂α∂J=∫t1t2(−dtd∂y′∂L+∂y∂L)η(t)dt
しかし、∂α∂Jの値は、経路が実際の運動経路であるとき、(α=0、つまり)で0となります。したがって、α=0とすると、以下の式が得られます。
∂α∂J=∫t1t2(−dtd∂y′∂L+∂y∂L)η(t)dt=0
この式は、実際の経路に対するラグランジアンの作用を表し、あらゆるη(t)に対して常に成立しなければなりません。つまり、どのようなη(t)に対しても積分値が0と出なければなりません。これが可能であるためには、かけられた括弧内の値が0でなければならないということです。したがって、実際の経路に対するラグランジアンは、以下の方程式を満たします。
∂y∂L−dtd(∂y′∂L)=0
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参照