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誕生日のパラドックス: 同じ誕生日である確率 📂レンマ

誕生日のパラドックス: 同じ誕生日である確率

公式

うるう年を無視して、$1$年を$365$日とする。$n$名の人が集まったとき、誕生日が重なる人がいる確率は次のようになる。

$$ p(n) = 1 - \dfrac{365!}{365^n(365-n)!} $$

説明

筆者の中学校時代、数学の教科書のある単元(おそらく順列と組み合わせの高確率で)の最後に「もっと見てみよう」ないしは「深化内容」として上記の公式が紹介されていた記憶がある。各人の誕生日は$365$個のうちの1つなので、誕生日が重なる人がいるには直感的にかなりたくさん集まらなければと思ったが、実際はそうではないことが不思議であった。実際、先生と一緒にクラス全員の誕生日を調べてみると、約$35$名ほどの人数であっても誕生日が重なるペアが2つもあり、教科書が嘘をついているわけではないことが確認できた。もちろん、下記の表を見ると$35$名は誕生日が重なるのに十分な人数であるということがわかる。

下記の表は公式を通じて実際の確率を計算したものである。最初は確率が非常に小さく見えるが、$23$名だけ集まれば誕生日が重なる人がいる確率が半分を超え、$41$名集まれば誰かが誕生日が重なる確率が$90\%$を超えることになる。

$n$$p(n)$$n$$p(n)$
$2$$00.27 \%$$15$$25.29 \%$
$3$$00.82 \%$$20$$41.14 \%$
$4$$01.64 \%$$23$$50.73 \%$
$5$$02.71 \%$$25$$56.87 \%$
$6$$04.05 \%$$30$$70.63 \%$
$7$$05.62 \%$$35$$81.44 \%$
$8$$07.43 \%$$40$$89.12 \%$
$9$$09.46 \%$$41$$90.32 \%$
$10$$11.70 \%$

導出

$n$名が集まったとき誕生日が重なる人がいる確率$p(n)$は、全ての人の誕生日が互いに異なる確率$\tilde{p}(n)$を使って表すことができる。

$$ p(n) = 1 - \tilde{p}(n) $$

まず2人いるとしよう。この2人の誕生日が互いに異なるためには、2人目の人が1人目の誕生日と異なるだけでよい。つまり、$365$日のうち1人目の誕生日を除いた$364$日の中から1日が2人目の人の誕生日であればいい。

$$ \tilde{p}(2) = \dfrac{364}{365} $$

3人全員が異なる誕生日を持つためには、上記のケースで3人目が1人目と2人目の誕生日と異なればよい。3人目の誕生日は残り$363$日の中から1日であればいいので、3人全員の誕生日が異なる確率は、

$$ \tilde{p}(3) = \dfrac{364}{365} \times \dfrac{363}{365} $$

同様に、4人の誕生日が全て異なる確率は、

$$ \tilde{p}(4) = \dfrac{364}{365} \times \dfrac{363}{365} \times \dfrac{362}{365} $$

$n$名の誕生日が全て異なる確率は以下のようになる。

$$ \tilde{p}(n) = \dfrac{364}{365} \times \dfrac{363}{365} \times \dfrac{362}{365} \times \cdots \times \dfrac{365-(n-1)}{365} $$

したがって、$n$名が集まった時、誕生日が重なる人がいる確率は次のようになる。

$$ \begin{align*} p(n) &= 1 - \tilde{p}(n) \\[1em] &= 1 - \dfrac{364}{365} \times \dfrac{363}{365} \times \cdots \times \dfrac{365-(n-1)}{365} \\[1em] &= 1 - \dfrac{364}{365} \times \dfrac{363}{365} \times \cdots \times \dfrac{365-(n-1)}{365} \times \dfrac{365-n}{365-n} \times \cdots \times \dfrac{2}{2} \times \dfrac{1}{1} \\[1em] &= 1 - \dfrac{364!}{365^{n-1}(365-n)!} \\[1em] &= 1 - \dfrac{365!}{365^n(365-n)!} \end{align*} $$