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外部磁場による電子軌道の変化と反磁性 📂電磁気学

外部磁場による電子軌道の変化と反磁性

説明1

33.JPG

核の周りを半径RRで公転している電子がいるとしよう。移動する点電荷が定常電流にはならないが、その速度が非常に速いために定常電流のように見える。周期は距離を速度で割ったものなので

T=2πRv T=\dfrac{2\pi R}{v}

電流IIは単位時間あたりに流れる電荷量であり、電子は軌道上のある点を1周期に1回通過するので

I=eT=ev2πR I=\dfrac{-e}{T}=-\dfrac{ev}{2 \pi R}

したがって、この電子軌道の磁気双極子モーメント

m=IπR2=12evRz^ \mathbf{m}=I\pi R^{2}=-\dfrac{1}{2}evR \hat{\mathbf{z}}

この時、外部磁場B\mathbf{B}があればトルクを受けるが、軌道を傾けるのはとても難しいため、電子の軌道運動による磁気双極子は常磁性には大きく寄与しない。ここで重要に現れる効果は、外部磁場の方向によって電子の速度が変わるということである。

PPにいる電子が受ける力の運動方程式を考えよう。QQを除くすべての点での電気力は互いに打ち消しあうので、点QQで受ける電気力だけ考えれば良い。そして、円運動する物体が受ける向心力は質量*速度2^{2}*半径1^{-1}である。両方の力の向きは円の中心を向いているので、大きさだけ簡単に表現すると

14πϵ0e2R2=mev2R \dfrac{1}{4 \pi \epsilon_{0}}\dfrac{e^{2}}{R^{2}}=m_{e}\dfrac{v^{2}}{R}

この時、mem_{e}は電子の質量であり、双極子モーメントmmと間違えないように。外部磁場があれば、左辺に磁気力に関する項e(v×B)-e(\mathbf{v} \times \mathbf{B} )が追加される。この力の向きも円の中心を向くように、下の図のように外部磁場が電子の運動軌道面と垂直とするとしよう。34.JPG 磁場による項まで含めた運動方程式は以下の通りである。

14πϵ0e2R2+evˉB=mevˉ2R \dfrac{1}{4 \pi \epsilon_{0}} \dfrac{e^{2}}{R^{2}}+e\bar{v}B=m_{e}\dfrac{{\bar{v}}^{2}}{R}

磁気力に関する項がない運動方程式を上の式に代入すると以下を得る。

mev2R+evˉB=mevˉ2R    evˉB=meR(vˉ2v2)=meR(vˉ+v)(vˉv) m_{e}\dfrac{v^{2}}{R}+e\bar{v}B=m_{e}\dfrac{{\bar{v}}^{2}}{R} \\[1em] \implies e\bar{v}B=\dfrac{m_{e}}R({\bar{v}}^{2}-v^{2})=\dfrac{m_{e}}{R}(\bar{v}+v)(\bar{v}-v)

速度の変化量をΔv=vˉv\Delta v=\bar{v}-vとする。変化量が小さい場合、vˉv\bar{v} \approx v なので、上の式は以下のようになる。

evB=2vmeRΔv    Δv=eRB2me evB = \dfrac{2vm_{e}}{R}\Delta v \\ \implies \Delta v = \dfrac{eRB}{2m_{e}}

文の上で、電子軌道の双極子モーメントm\mathbf{m}を速度に関する式で表した。したがって、速度が変われば双極子モーメントも変わり、その変化量は以下の通りである。

Δm=12e(Δv)Rz^=e2R24meB \Delta \mathbf{m} = -\dfrac{1}{2}e ( \Delta v)R\hat{\mathbf{z}}=-\dfrac{e^{2}R^{2}}{4m_{e}}\mathbf{B}

双極子モーメントm\mathbf{m}の変化が外部磁場B\mathbf{B}の方向と反対であるという重要な事実が分かる。これが反磁性を引き起こす。これはすべての原子で起こる一般的な現象だが、常磁性に比べて効果がずっと弱いので、電子の数が偶数で常磁性が現れない原子でのみ観測される。


  1. David J. Griffiths, 기초전자기학(Introduction to Electrodynamics, 김진승 역) (4th Edition1 2014), p290-292 ↩︎