地図で表される動力学系と不動点
📂動力学地図で表される動力学系と不動点
定義
- 定義域と値域が同じ関数f:X→Xをマップと言う。fをk回合成したマップをfkと表す。
- f(p)=pを満たすp∈Xを固定点と言う。
- 全てのx∈Nϵ(p)に対してk→∞limfk(x)=pを満たすϵ>0が存在する場合、固定点pをシンクとする。
- pを除く全てのx∈Nϵ(p)に対してf∞(x)∈/Nϵ(p)を満たすϵ>0が存在する場合、固定点pをソースとする。
- Nϵ(p)=B(p;ϵ)は、pの半径ϵ内にある全ての点を含むネイバーフッドを意味する。
例
- Xで定義されたマップは、各点xt−1をxtへマッピングすることで動力学系を形成する。例えば、時間tが1だけ変わるたびに、60だけx方向へ移動する点がある場合、この点の位置は次のように表される。
xt=f(xt−1)=xt−1+60
- 別のマップの例としてf(x)=x3を考えると、f(0)=0f(±1)=±1であるので、0と±1は固定点である。
- 特に0を含む十分に小さい区間(−1,1)の全ての数は、二乗するたびに小さくなり、最終的には0に収束するので、シンクである。
- ±1を含むどんな区間を考えても、その大きさが1より大きい数は、三乗するたびにその大きさが大きくなるので、ソースである。
シンクは近くの点が集まる一種の「収束点」、ソースは近かった点が徐々に離れていく一種の「発散点」と見ることができる。だから、シンクを安定した固定点、ソースを不安定な固定点とも呼ぶ。
これはグラフ理論のシンク、ソースと似ている。
参照