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積分可能性は二つの関数の乗算で保存される 📂解析学

積分可能性は二つの関数の乗算で保存される

定理1

二つの関数 $f$ と $g$ が区間 $[a,b]$ でリーマン(-スティルチェス)積分可能であれば、$fg$も積分可能である。

証明

$f, g$が積分可能だとする。積分は線形性を持つため、$-g,\ f+g,\ f-g$も積分可能である。

関数 $\phi$ を $\phi (x)=x^2$と定義する。すると$\phi$ は全領域で連続である。積分可能性は連続関数との合成から保持されるため、$\phi (f+g),\ \phi (f-g)$も積分可能である。

再び、積分は線形であるため、$\phi (f+g) - \phi (f-g)$も積分可能である。今度は関数 $h$ を $h(x)=\dfrac{1}{4}x$として定義する。すると$h$は全領域で連続である。再度、積分可能性は連続関数との合成から保持されるため、$h\Big(\phi (f+g) - \phi (f-g) \Big)$も積分可能である。しかし次のように成り立つため、$fg$も積分可能である。

$$ \begin{align*} h\Big(\phi (f+g) - \phi (f-g) \Big) =&\ \dfrac{1}{4} \Big( \phi (f+g) - \phi (f-g) \Big) \\ =&\ \dfrac{1}{4} \Big( (f+g)^2 - (f-g)^2 \Big) \\ =&\ \dfrac{1}{4} \Big( (f^2 +2fg + g^2) - (f^2 -2fg +g^2 \Big) \\ =&\ \dfrac{1}{4} (4fg) \\ =&\ fg \end{align*} $$


  1. Walter Rudin, 数学分析原理 (第3版, 1976), p129 ↩︎