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分割、リーマン和、リーマン積分 📂解析学

分割、リーマン和、リーマン積分

分割1

区間[a,b][a,b]が与えられたとしよう。[a,b][a,b]分割partitionPPを下のように定義する。

P:={x0, x1, ,xn},a=x0<x1<<xn=b P := \left\{ x_{0},\ x_{1},\ \cdots, x_{n}\right\},\quad a=x_{0} <x_{1}<\cdots < x_{n} =b

そして、Δxi\Delta x_{i}を次のように定義する。

Δxi:=xixi1,i=1,2,,n \Delta x_{i} :=x_{i}-x_{i-1},\quad i=1,2,\cdots,n

説明

簡単に言えば、分割とはある区間を分割した時、区間の両端と区間内のすべての境界点を要素として持つ集合のことだ。重要な点は、分割について話す場合、必ずどの区間についてのものかが必要だということだ。つまり、単に分割と言うことはできず、ある区間の分割と言うべきだ。

リーマン和

ff[a,b][a,b]で定義された有界関数、PP[a,b][a,b]の分割としよう。そして、MiM_{i}, mim_{i}を以下のようだとしよう。

Mi=supf(x),(xi1xxi)mi=inff(x),(xi1xxi) \begin{align*} M_{i} &=\sup f(x),&(x_{i-1} \le x \le x_{i}) \\ m_{i}&=\inf f(x), &(x_{i-1} \le x \le x_{i}) \end{align*}

すると、U(P,f),L(P,f)U(P,f), L(P,f)を以下のように定義し、それぞれを**PPに対するffのリーマン上和、下和**upper and lower Riemann sumという。

U(P,f):=i=1nMiΔxiL(P,f):=i=1nmiΔxi \begin{align*} U(P,f) &:=\sum \limits _{i=1} ^n M_{i} \Delta x_{i} \\ L(P,f) &:= \sum \limits _{i=1} ^{n} m_{i}\Delta x_{i} \end{align*}

説明

リーマン和は、関数の面積を区間を分割して近似するもので、区分求積法と同じだ。与えられた分割PPに対して、上和は最大値を、下和は最小値を意味する。上和と下和の差がないほど近似した場合、それをffのグラフの下の面積と見なしてもいいだろう。

リーマン積分

区間[a,b][a,b]のすべての分割PPに対してinf\infを取ったものを**[a,b][a,b]上でのffのリーマン上積分**upper Riemann integralという。

それぞれのPPに対するリーマン上和の最小上界として定義し、以下のように示す。

abfdx:=infPU(P,f) \begin{equation} \overline{\int _{a}^{b}} f dx := \inf \limits_{P} U(P,f) \label{eq1} \end{equation}

同様に、区間[a,b][a,b]のすべての分割PPに対してsup\supを取ったものを**[a,b][a,b]上でのffのリーマン下積分**lower Riemann integralという。

abfdx:=supPL(P,f) \begin{equation} \underline {\int _{a}^b } f dx := \sup \limits_{P} L(P,f) \label{eq2} \end{equation}

ffのリーマン上積分とリーマン下積分が同じである場合、ff[a,b][a,b]でリーマン積分可能Riemann integrableであると言い、以下のように表記する。

fR={f:f is Riemann integrable} f \in \mathscr{R}= \left\{ f : f \text{ is Riemann integrable} \right\}

R\mathscr Rはリーマン積分可能な関数の集合である。そして、(1)(1)(2)(2)の共通値を以下のように表記し、これを**[a,b][a,b]上でのffのリーマン積分**Riemann integralという。

abfdx=abfdx=abfdx \underline {\int _{a}^b } f dx = \int _{a} ^b f dx = \overline {\int _{a}^b} f dx

または

abf(x)dx \int _{a} ^b f(x) dx

説明

上積分はffの面積を少し大きく近似したもの(上和)の中で最小のものであり、下積分はffの面積を少し小さく近似したもの(下和)の中で最大のものだ。だから、この二つが同じである時、ffのグラフの下の面積を正確に近似したと言えるだろう。

1.JPG

さらに、ffが有界であるため、次を満たす二つの定数MMmmが存在する。

mf(x)M   (axb) m \le f(x) \le M \ \ \ (a\le x\le b)

したがって、すべての分割PPに対して次が成り立つ。

m(ba)L(P,f)U(P,f)M(ba) m(b-a) \le L(P,f) \le U(P,f) \le M(b-a)


  1. Walter Rudin, Principles of Mathematical Analysis (3rd Edition, 1976), p120-121 ↩︎