固体物理학
ビルドアップ
環 $R$ のすべての要素 $r$ について $n \cdot r = 0$ を満たす最小の自然数 $n$ を $R$ の標数characteristicと定義する。そのような自然数が存在しない場合、$0$ を $R$ の標数と定義する。乗法に関する単位元、すなわち単位元を持つ環は次の性質を持つ。
- [1]: 単位元を持つ $R$ の標数が $n>1$ のとき、$R$ は $\mathbb{Z}_{n}$ と同型の部分環を持つ。
- [2]: 単位元を持つ $R$ の標数が $0$ のとき、$R$ は $\mathbb{Z}$ と同型の部分環を持つ。
これに似たようにして、体 $F$ は 素数 $p$ に対して次の性質を持つ。
- [1]’: $F$ の標数が $p$ のとき、$F$ は $\mathbb{Z}_{p}$ と同型の部分体を持つ。
- [2]’: $F$ の標数が $0$ の場合、$F$ は $\mathbb{Q}$ と同型の部分体を持つ。
定義 1
ここで整数体 $\mathbb{Z}_{p}$ と有理数体 $\mathbb{Q}$ を素体prime fieldという。
説明
「素prime」という文字がついているほど非常に重要なフィールドである。
[1]‘と[2]‘の逆を考えると、これら素体と同型となる部分体がなければ $F$ は体ではなくなる。したがって、体であるかを判断するのに役立ち、特に私たちにとって親しみがあるという利点がある。
標数はニルポテンシーと多少混同されることがあるが、それぞれ加法 $\displaystyle \sum_{i=1}^{n} r = nr = 0$ と乗法 $\displaystyle \prod_{i=1}^{n} a = a^{n} = 0$ に関する概念と考えればよい。また、標数は条件を満たす最小の $n$、ニルポテンシーは条件を満たす $a$ に関心がある。
Fraleigh. (2003). A first course in abstract algebra(7th Edition): p250. ↩︎