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A-ステイブル 📂数値解析

A-ステイブル

ビルドアップ

ミッドポイントメソッドなどのマルチステップメソッドは、$h$が十分に小さくない場合、パラサイティックソリューションが存在する可能性がある。十分に小さくないというのは、$ y ' = \lambda y$のような問題があり、$| 1 + h \lambda| <1$のような条件を満たせない場合などを指す。

$z : = h \lambda \in \mathbb{C}$とすると、その条件を複素平面上で表示すると下の図のようになる。

20181117\_165531.png

$z$がこの領域に属さなければ、メソッドが正しく機能しない。$\lambda = - 10^{6}$のように極端に大きい場合は、$h$がかなり小さくない限り、利用できない。しかし、$h$を無闇に減らすと、計算費用が高くなりすぎて実用的ではない。

そのため、このような領域はできるだけ広い方が良いが、アダムズ・モールトンメソッドのような場合は、次数を上げるほど計算は正確になるが、安定性を保証するための領域が狭くなるという欠点がある。

定義 1

一方で、全ての$\operatorname{Re} ( h \lambda ) <0$に対して安定性を保証するメソッドをA-ステーブルa-stableと呼ぶ。これらのメソッドは$h$にどんな制限もないので、多くの問題を安定的に解くことができるという利点がある。

定理

A-ステーブルについては、上記の二つの事実が知られている。


  1. Atkinson. (1989). An Introduction to Numerical Analysis(2nd Edition): p408. ↩︎