幾何分布の平均と分散
📂確率分布論幾何分布の平均と分散
公式
X∼Geo(p) 面積
E(X)=p1Var(X)=p21−p
導出
幾何分布の平均と分散は、思うほど簡単には求められない。このポストでは、有益ながらも面白い二つの証明を紹介する。
幾何分布の定義p∈(0,1]によれば、以下のような確率質量関数を持つ離散確率分布を幾何分布という。
p(x)=p(1−p)x−1,x=1,2,3,⋯
第一の方法
戦略:等比級数の公式と微分を使う。
平均
E(X)=x=1∑∞xp(1−p)x−1
f(p):=x=0∑∞(1−p)x とおくと
f(p)=1−(1−p)1=p1
pに対して微分すると、等比級数の公式により
f′(p)=−p21
一方で、等比級数をそのまま微分すると
f′(p)=x=1∑∞−x(1−p)x−1
であり、
⟹⟹−p21=−x=1∑∞x(1−p)x−1p1=px=1∑∞x(1−p)x−1p1=x=1∑∞xp(1−p)x−1=E(X)
従ってE(X)=p1
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分散
V(X)=E(X2)−E(X)2=x=1∑∞x2p(1−p)x−1−p21
従ってE(X2)=x=1∑∞x2p(1−p)x−1を求めれば良い。
同様にf(p):=x=0∑∞(1−p)xとおくと
f(p)=1−(1−p)1=p1f′(p)=−p21f′′(p)=p32
一方で、f′′(p)=x=1∑∞x(x−1)(1−p)x−2でもあるので
⟹⟹⟹⟹⟹⟹p32=x=1∑∞x(x−1)(1−p)x−2p32=x=1∑∞x2(1−p)x−2−x=1∑∞x(1−p)x−2pp32=px=1∑∞x2(1−p)x−2−px=1∑∞x(1−p)x−2p22=x=1∑∞x2p(1−p)x−2−x=1∑∞xp(1−p)x−2p22=1−p1x=1∑∞x2p(1−p)x−1−1−p1x=1∑∞xp(1−p)x−1p22(1−p)=E(X2)−p1E(X2)=p22−p
従ってV(X)=p21−p
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第二の方法
戦略:幾何分布の無記憶性を用いる。複雑な式を避けて言葉で済ます感じだが、人によってはむしろ難しく感じるかもしれない。
平均
E(X)=1⋅P( 첫번째 시행에서 성공 )+E(Y+1)⋅P(첫번째 시행에서 실패)
期待値の定義により、初回が成功する確率とその時の試行回数1、初回が失敗する確率とこの場合の期待値E(Y+1)の積を加えたものが期待値E(X)になる。もちろん、ここで登場したYはXと同じようにGeo(p)に従う。初回が成功しても失敗しても、幾何分布は無記憶性を持つので、始めからやり直し、Yに1を別に加える調整を行ったのである。再び綺麗に書くと次のようになる。
E(X)=1⋅p+E(Y+1)⋅(1−p)
しかし、E(Y+1)はE(Y+1)=E(Y)+E(1)=E(Y)+1で表せるし、X∼Geo(p)でありY∼Geo(p)なので
E(Y)=E(X)
E(X)=p+E(X)+1(1−p)をE(X)に対して整理すると
E(X)=p1
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分散
E(X2)=1⋅p+E((Y+1)2)⋅(1−p)=p+E(X2)+2E(X)+1(1−p)=p+E(X2)+2E(X)+1−pE(X2)−2pE(X)−p
綺麗に整理すると
0=2E(X)+1−pE(X2)−2pE(X)
2次のモーメントを二項展開すると
pE(X2)==2(1−p)E(X)+1=2(1−p)p1+1p2−p
両辺をpで割ると
E(X2)=p22−p
従ってV(X)=p21−p
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