ディリクレ境界条件が与えられた波動方程式の初期値問題の解
📂偏微分方程式ディリクレ境界条件が与えられた波動方程式の初期値問題の解
説明
⎩⎨⎧utt=c2uxxu(0,x)=f(x)ut(0,x)=g(x)
この方程式は、波動方程式から長さがlの1次元空間上のディリクレ境界条件である。
{u(t,0)=α(t)u(t,l)=β(t)
これはα=β=0が与えられ、波形に関する初期条件がある場合だ。このような問題タイプの中で最も簡単で単純な形だ。ここで、tは時間、xは位置、u(t,x)は時間tのときのxでの波形を表す。fとgは初期条件として、特にfはt=0のときの波形を表す。
境界条件が与えられる場合、ダランベールの公式は使えなくなり、熱方程式を解くときと似たアイデアが使われる。
解法
ステップ 1.
解がu(t,x)=w(t)v(X)と表されると仮定すると、波動方程式を解かなければならないので、w’’(t)v(x)=c2w(t)v′′(x)をきれいに整理すると、
w(t)w’’(t)v(x)=c2v(x)v′′(x)=λ
ここで、
∂x∂λ=∂x∂(w(t)w’’(t))=0
かつ、
∂t∂λ=∂x∂(c2v(x)v′′(x))=0
従って、λは定数である。
ステップ 2.
λが定数であることが保証されたので、2次微分方程式w’’−λw=0とv′′−c2λv=0をそれぞれ解けばよい。解はλの前の符号が熱方程式を解く場合と異なるため、λ<0のときに非自明な解が得られるだろう。

ω:=lnπcの解は上の形で表される。特に方程式を解く基本解はun(t,x)=coslnπctsinlnπxとu~n(t,x)=sinlnπctsinlnπxである。従って、あるbn,dnに対する解は、
u(t,x)=n=1∑∞[bncoslnπctsinlnπx+dnsinlnπctsinlnπx]
上記のように表される。
ステップ 3. 初期条件に対するフーリエ展開
u(0,x)=n=1∑∞[bnsinlnπx]=f(x)
なので、
bn=⟨f(x),sinlnπx⟩=l2∫0lf(x)sinlnπxdx
そして、
ut(0,x)=n=1∑∞[dnlnπcsinlnπx]=g(x)
であるため、
dn=nπcl⟨g(x),sinlnπx⟩=nπc2∫0lg(x)sinlnπxdx
このようになる。
u(t,x)=n=1∑∞[l2∫0lf(x)sinlnπxdxcoslnπctsinlnπx+nπc2∫0lg(x)sinlnπxdxsinlnπctsinlnπx]
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