ボルツァーノ-ワイエルシュトラスの性質と集積点のコンパクト性
定義 1
ある位相空間 $X$ の全ての無限部分集合の集積点が $X$ に属している場合、$X$ を ボルツァーノ-ワイエルシュトラス性質を持つというか、集積点コンパクトと呼ぶ。
定理
- [2]: $X$ が距離空間の場合、$X$ がコンパクトであることと集積点コンパクトであることは同値である。$X$ が距離空間で、コンパクトであることと集積点コンパクトであることは同値である。
説明
例えば、$[a,b]$ は集積点コンパクトだが、$(a,b)$ は集積点コンパクトではない。また、$$ P = \left\{ 3 , 3.1 , 3.14 , 3.141, 3.1415, \cdots \right\} $$ のような無限部分集合を検討すると、$\pi \notin P$ があるため、集積点コンパクトではない。$\mathbb{R}$ はこのような部分集合を持っているため、当然集積点コンパクトではない。
興味深いことに、名前とは裏腹に、定義ではコンパクトについては全く言及されていない。名前だけ見たら、コンパクト空間の特別なケースと思われがちだが、実際はその逆の定理 1 のみが成立する。
集積点コンパクトのもう一つの意義としては、定理 [2] のように、ある距離空間がコンパクトであることを証明するのに役立つことがある。距離空間がコンパクトであることが証明されれば、連続関数の一様連続性が保証されるので、これが有用であることは言うまでもない。
Munkres. (2000). Topology(2nd Edition): p178. ↩︎