開いた関数と閉じた関数
定義
位相空間 $X,Y$ について $f : X \to Y$ だとしよう。
- 全ての開集合 $O \subset X$ に対して、$f (O)$ が $Y$ で開集合ならば、$f$ を開関数という。
- 全ての閉集合 $C \subset X$ に対して、$f (C)$ が $Y$ で閉集合ならば、$f$ を閉関数という。
定理
特に、連続関数は以下の性質を持つ。
上の性質は以下の定理の非常に特別なケースを簡潔にまとめたものだ。
$f : X \to Y$ が全単射ならば、以下の命題は互いに同等だ。
- (1): $f^{-1} : Y \to X$ が連続関数だ。
- (2): $f : X \to Y$ は開関数だ。
- (3): $f : X \to Y$ は閉関数だ。
説明
注意すべき点は、集合での定義と同様に、開かれたことと閉じられたことは互いに排他的ではないということだ。
同等条件(1)では、$f^{-1}$ が連続関数であることが、位相同型についての議論で便利に使えることを示唆している。
開かれている、閉じているという概念自体が、連続性とは必ずしも関係ないことを示す例として、床関数 $\lfloor \cdot \rfloor : \mathbb{R} \to \mathbb{R}$ は連続関数ではないが閉関数だ:
- $\lfloor \cdot \rfloor$ が連続関数ではないことは自明だ。
- 任意の閉区間 $[a,b]$ に対して、$\lfloor [a,b] \rfloor \subset \mathbb{Z}$ であるため、$\lfloor \cdot \rfloor$ は閉関数だ。
証明
[1]
任意の開区間 $(a,b)$ に対して、$f(a,b) = (c ,d)$ であるため、$f$ は開関数だ。
任意の閉区間 $[a,b]$ に対して、$f[a,b] = [c,d]$ であるため、$f$ は閉関数だ。
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