ピタゴラス数のうち一つは偶数でなければならない
定理 1
自然数 $a,b,c$が$a^2 + b^2 = c^2$を満たす時、$a$または$b$は偶数だ。
説明
興味深いことに、ピタゴラスの数の一つは必ず偶数でなければならない。
証明
偶数の二乗は偶数であり、奇数の二乗は奇数であるため、$c^2$が奇数なら、$a^2$か$b^2$が偶数でなければならない。$c^2$が偶数と仮定すると、$a^2$と$b^2$は両方とも奇数または偶数であるが、両方が奇数である場合のみ考えれば十分である。
ある自然数 $x,y,z \in \mathbb{N}$に対して、次のように$a,b,c$を定義しよう。 $$ a := 2x +1 \\ b : = 2y + 1 \\ c = 2z $$ これを$a^{2} + b^{2} = c^{2}$に代入すると $$ (2x+1)^2 + (2y+1)^2 = (2z)^2 $$ 二乗を展開すると $$ 4x^2 + 4x +1 + 4y^2 + 4y +1 = 4z^2 $$ 両辺を$2$で割ると $$ 2 \left( x^2 + x + y^2 + y \right) +1 = 2z^2 $$ ここで、左辺は奇数だが右辺は偶数であるため、矛盾が生じる。従って、$a$または$b$が偶数でなければならない。
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Silverman. (2012). A Friendly Introduction to Number Theory (4th Edition): p15. ↩︎