複素解析における等角写像とは?
定義 1
関数 $f: A \subset \mathbb{C} \to \mathbb{C}$が$\mathscr{R} \subset A$で解析的であり、すべての$z \in \mathscr{R}$に対して$f ' (z) \ne 0$であれば、$f$を等角写像conformal mappingあるいは等角変換conformal transformという。一方、$f ' (\alpha) = 0$を満たす点$\alpha$が存在すれば、$\alpha$を$f$の臨界点critical pointという。
説明
等角という漢字そのままに、等角変換を取ると図形がなす角が保存される。
その名の通り、等角写像同士の合成は等角写像であるという事実を知っておこう。証明は次の対偶を確認することで十分である。 $$ (f \circ g) ' = f '(g) g' = 0 \iff g' = 0 \lor f ' = 0 $$
このような等角変換は単純閉経路を多く扱う複素解析において非常に重要なもので、積分経路を扱う際に有用に使われる。臨界点は幾何学的に考えると、方向を変えるために完全に止まる、すなわち折れ曲がる点であるといえる。一方、解析的でありながら単射である関数は以下の二つの重要な性質を持つ。
基礎的性質 1
- [1]: もし関数 $f$が$\mathscr{R}$で解析的かつ単射なら、すべての$z \in \mathscr{R}$で$f ' (z) \ne 0$である。言い換えると、$f$は等角写像である。
- [2]: もし関数 $f$が$\mathscr{R}$で解析的かつ単射であり、単純閉経路 $\mathscr{C}$を$\mathscr{C} ' $へ対応させるとしよう。すると$f$は$\mathscr{C}$の内部の点を$\mathscr{C} ' $の内部あるいは外部のみに対応させる。
- [1]では必要十分条件ではないことに注意しよう。[2]は特に重要な性質であり、$\mathscr{C}$の内部の一点だけをチェックすれば、その他の点が$\mathscr{C} ' $の内部へ行くのか外部へ行くのかがわかる。
