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一般的な位相空間において数列の極限は一意ではない 📂位相幾何学

一般的な位相空間において数列の極限は一意ではない

定理

一般に、位相空間における数列の極限は一意ではない。

説明

いったいこれは何を言っているのかと思うだろうが、驚くべきことに事実である。我々はこれまで解析学などにおいて、数列を含む区間が次第に狭まり一点に収束するイメージを思い浮かべてきた。しかし位相数学で定義される収束の概念によれば、位相空間によっては一点に収束する理由がまったくない。

極限の一意性を保証するためには、ハウスドルフ空間が主に仮定される。

反証

極限が複数存在する反例を提示すれば十分である。

余有限空間$\left( \mathbb{R} , \mathscr{T}_{f} \right)$において、互いに異なる点からなる数列$\left\{ x_{n} \right\}$を考えてみよう。まず$\left\{ x_{n} \right\}$が収束する点を任意に$x \in \mathbb{R}$としよう。ここで$x$を含む開集合$U \in \mathscr{T}_{f}$が存在し、$\mathbb{R} \setminus U$は有限集合である。$\left\{ x_{n} \right\}$は互いに異なる点からなるので、すべての$n > n_{0}$に対して$x_{n} \notin \mathbb{R} \setminus U$を満たす$n_{0} \in \mathbb{N}$は存在し得ない。ところが$\left\{ x_{n} \right\}$は収束することは収束するので、すべての$n > n_{0}$に対して$x_{n} \in U$を満たす$n_{0} \in \mathbb{N}$が存在しなければならない。収束の定義により$\left\{ x_{n} \right\}$は$x$に収束することは収束するが、ここで$x$は何であっても特に構わない。

理解しにくいなら、収束の定義がどう変わったかと、余有限空間の開集合が何であるかを考えてみるとよい。

従来の距離空間において開集合といえば、一点を中心に与えられた距離以内の点の集合を指すものであった。したがって「すべての開集合」とはいっても、実際にはその点の近傍で条件を満たすことが要点であった。いくら小さくとっても引き続き条件を満たすなら、「すべての開集合」に対するチェックが終わったも同然なのである。

しかし余有限空間において$U$ともう一つの開空間を考えてみるなら、$U \setminus \left\{ a \right\}$のようなものも開集合になる。全体空間が実数であろうが何であろうが、すべての点を一つずつ引くだけでも開集合は開集合のままであり、ここで「距離」を考えることは無意味である。したがってすべての開集合に対してチェックするとしても、距離空間のように次第に小さくなる理由はなく、極限が特定されないのである。