ガウスの二次互逆法則の証明
📂整数論ガウスの二次互逆法則の証明
統括
異なる2つの奇数素数 p,q に対し、次が成り立つ。
- (1):
(pq)=⎩⎨⎧(qp)−(qp)p≡1(mod4)∨q≡1(mod4)p≡3(mod4)∧q≡3(mod4)
- (2):
(qp)(pq)=(−1)2p−12q−1
(1) と (2) は、言い方は違うけど、同じことを表している。
二次剰余に関して、これほどまでにきれいに整理されており、その有用性を抜きにしても、数学的な美しさが際立っている。ガウスはこれを初めて証明した後も、この法則を非常に大切にし、生涯にわたって8つの異なる証明を残したそうだ。
証明
戦略: このポストでは、少し長くて洗練されてはいないが、難しい概念を使わない証明を紹介する。核心はガウスの驚くべきアイデアであり、正式な証明に入る前に、簡単に見ていこう。
ガウスのアイデア: 素数 p=2n+1 と 1≤x,x′≤n に対し ax≡exx′(modp) を満たすように ex=±1 とすると、
a2p−1=an≡e1e2⋯en(modp)
例えば、(mod11) で二次剰余である a=3 の場合を見ると、11=2n+1=2⋅5+1 なので n=5 となる。直接 355! を計算してみよう。
355!≡=≡≡≡≡(3⋅1)(3⋅2)(3⋅3)(3⋅4)(3⋅1)3⋅6⋅9⋅12⋅153⋅(−5)⋅(−2)⋅1⋅4(mod11)(1⋅3)(−1⋅5)(−1⋅2)(1⋅1)(1⋅4)(1⋅1)(−1⋅2)(1⋅3)(1⋅4)(−1⋅5)(−1)25!(mod11)
両辺を 5! で割ると 35≡(−1)2≡1(mod11) を得る。このアイデアが素晴らしいのは、a を累乗して p で割るという面倒な作業を (−1) の数え上げ問題に変えられるからだ。
オイラーの判定法: 素数 p=2 に対して、a2p−1≡(pa)(modp)
つまり、オイラーの判定法をもっと便利に使えるということだ。上の例では、
3211−1=35≡1(mod11)
累乗して p で割り、余りを求めるという面倒な作業が、とても単純な問題になった。
一般化
異なる2つの奇数 a,b に対して
- [1]’:
(ab)={(ba)−(ba)p≡1(mod4)∨q≡1(mod4)p≡3(mod4)∧q≡3(mod4)
- [2]’:
(ba)(ab)=(−1)2a−12b−1