ロピタルの定理の証明
定理1
$f(x)$と$g(x)$が$x=a$の近くで微分可能で、$g ' (x) \ne 0$であり、$\displaystyle \lim _{x \to a} f(x) = \lim _{x \to a} g(x) = 0$ならば、
$$ \lim _{x \to a} {{f(x)} \over {g(x)}} = \lim _{x \to a} {{f ' (x)} \over {g ' (x)}} $$
説明
この定理は多くの受験生にとって魔法の杖のようなものだが、実際には私が個人的に考えるに、大学入試数ヶ月前までは知っていても封印しておき、できるだけ標準的な方法で解くのが良いと思っている。
実際、この定理を最初に証明したのはロピタルではなく、ロピタルが支援していた数学者ヨハン・ベルヌーイだったと言われている。
証明
$f(a)=g(a)=0$であるため、
$$ \lim _{x \to a} {{f(x)} \over {g(x)}} = \lim _{x \to a} {{f(x)-f(a)} \over {g(x)-g(a)}} $$
また、
$$ f(x)-f(a) = \begin{cases} f(x) & ,x \ne a \\ 0 & , x=a \end{cases} \\ g(x)-g(a) = \begin{cases} g(x) & ,x \ne a \\ 0 & , x=a \end{cases} $$
したがって、${f(x)-f(a)}$と${g(x)-g(a)}$は$[x,a]$または$[a,x]$で連続で、$(x,a)$または$(a,x)$で微分可能である。
関数$f(x), g(x)$が$[a,b]$で連続で、$(a,b)$で微分可能であり、$g ' (x) \ne 0$ならば$\displaystyle {{f ' (c)}\over{g ' (c)}}={{f(b)-f(a)}\over{g(b)-g(a)}}$を満たす$c$が$(a,b)$に少なくとも一つ存在する。
コーシーの平均値の定理により、$\displaystyle {{f ' (c)}\over{g ' (c)}}={{f(x)-f(a)}\over{g(x)-g(a)}}$を満たす$c$が$(x,a)$または$(a,x)$に少なくとも一つ存在する。 $c$が$(x,a)$または$(a,x)$に存在するため、$x \to a$の時、$c \to a$であり、
$$ \begin{align*} \lim _{x \to a} {{f(x)} \over {g(x)}} =& \lim _{x \to a} {{f(x)-f(a)}\over{g(x)-g(a)}} \\ =& \lim _{c \to a} {{f ' (c)}\over{g ' (c)}} \\ =& \lim _{x \to a} {{f ' (x)}\over{g ' (x)}} \end{align*} $$
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James Stewart, Daniel Clegg, and Saleem Watson, Calculus (early transcendentals, 9E), pA48-A49 ↩︎