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原子 📂物理学

原子

定義

日常的な定義

原子atomとは、物質を構成する最も小さな単位をいう。

物理学的な定義

原子とは、化学的に分離できない物質の基本単位をいう。

説明

原子は、それ以上分割できない物質の最も小さな単位を意味する。物理学は物体の運動と自然の構成原理を探究する学問であるため、物理学者が原子について研究してきたのは、ある意味当然のことだといえる。上の日常的な定義と物理学的な定義を比較してみると、そのニュアンスが異なることがわかる。物理学的な定義では「化学的」という表現を強調しているが、これは別の方法では原子を分割できることを示唆している。実際に原子は原子核と電子で構成されており、原子核はさらに陽子と中性子からなる。このように原子より小さい粒子を指して亜原子粒子subatomic particleという。

言い換えれば、「それ以上分割できない」という言葉は、少なくとも現代物理学の観点からは正確な表現ではない。原子atomという名前自体は古代ギリシャ語の「それ以上分けられないもの」atomosに由来するが、今日われわれは原子がより小さな粒子からなり、そのうち陽子と中性子でさえクォークのようなより根本的な粒子からなることを知っている。それでもなお原子が依然として物質の基本単位として扱われる理由は、原子を分割した瞬間にその物質の化学的性質を失ってしまうからである。すなわち原子は物質の化学的性質を保つ最も小さな単位である。

原子の構造

原子は中心に位置する原子核nucleusと、その周りを回る電子electronからなる。原子核はさらに正(+)の電荷を帯びる陽子protonと、電荷を帯びない中性子neutronで構成される。

構成粒子電荷質量 (おおよそ)
陽子$+e$$1.673 \times 10^{-27}\ \mathrm{kg}$
中性子$0$$1.675 \times 10^{-27}\ \mathrm{kg}$
電子$-e$$9.109 \times 10^{-31}\ \mathrm{kg}$

ここで$e \approx 1.602 \times 10^{-19}\ \mathrm{C}$は電気素量である。原子は通常、陽子の数と電子の数が等しく、全体として電気的に中性を帯びる。もし電子を失ったり得たりして電荷のバランスが崩れると、これをイオンionという。

質量で見ると陽子と中性子は電子より約$1800$倍重いため、原子の質量のほぼ全部は原子核に集中している。一方、大きさで見ると正反対で、原子の直径が約$10^{-10}\ \mathrm{m}$程度であるのに対し、原子核の直径は約$10^{-14}\ \mathrm{m}$程度と一万倍ほど小さい。言い換えれば、原子の質量の大部分は体積のごく一部を占める原子核に集まっており、残りの空間は事実上、電子が占める空っぽの空間だといえる。

電子が原子核の周りにどのように分布するかは古典的な軌道運動では説明できず、量子力学に従って確率的に記述されるオービタルorbitalの形で現れる。

元素と原子の区別

元素elementと原子はしばしば混同されるが、両者は区別される概念である。

  • 元素は原子の種類を指す概念である。水素、酸素、炭素のように分類された名前がすなわち元素である。
  • 原子はその元素に該当する実際の粒子一つ一つを指す。

たとえば「水素」は元素であり、「水分子の中の水素原子二つ」というときのそれぞれは原子である。たとえるなら元素は「ホモ・サピエンス」という種(種)に該当し、原子は個々の人物一人一人に該当する。

ある原子がどの元素であるかを決めるのは陽子の数であり、これを原子番号atomic number$Z$という。陽子が一つなら水素、六つなら炭素という具合である。一方、陽子数は同じだが中性子数が異なる原子も存在するが、これらは同じ元素でありながら質量だけが異なるわけである。このような原子を互いに同位体isotopeという。