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回転半径 📂古典力学

回転半径

定義1

質量が $m$で、慣性モーメント が $I$である剛体に対して、回転半径radius of gyration $k$を次のように定義する。

$$ I = m k^{2} $$

これを $k$について整理すると次のようになる。

$$ k = \sqrt{\frac{I}{m}} $$

説明

回転半径 $k$は、剛体の全質量 $m$が回転軸からの距離 $k$の一点にすべて集まっていると仮定したとき、慣性モーメントが変わらないような距離である。言い換えれば、分布している質量を一つの点で代替できる有効半径である。この点は慣性モーメントの定義 $I = \sum_{i} m_{i} r_{i}^{2}$と定義式 $I = mk^{2}$を比較すればより明らかになる。全質量が $m = \sum_{i} m_{i}$であるから両式を等しいとすると次を得る。

$$ k^{2} = \frac{\sum_{i} m_{i} r_{i}^{2}}{\sum_{i} m_{i}} $$

すなわち $k^{2}$は各質点までの距離の二乗 $r_{i}^{2}$を質量で重み付け平均した値である。言い換えれば、回転半径 $k$は回転軸から質点が離れている距離の(質量を重みとする)一種の平均距離といえる。

例えば、片方の端を通る軸に対する長さが $a$の細い棒の慣性モーメントは $I = \dfrac{1}{3}ma^{2}$であるから、その回転半径は以下の通り。

$$ k = \sqrt{\frac{I}{m}} = \sqrt{\frac{\frac{1}{3}ma^{2}}{m}} = \frac{a}{\sqrt{3}} $$

すなわち、この棒の回転を直感的にまとめると、回転軸から $\dfrac{a}{\sqrt{3}} \approx 0.577a$だけ離れた質量が $m$の質点が回転しているのと同じである。この値が棒の中点である $a/2 = 0.5a$より外側にある点に注目すべきである。距離の二乗 $r^{2}$で重み付けするため、回転軸から遠い部分が慣性モーメントにより大きく寄与し、その結果平均距離である回転半径が単なる幾何学的中心より外側に偏るのである。

複数の物体の回転半径

物体の質量を $m$とする。いろいろな形の物体に対する回転半径の二乗 $k^{2}$は以下の表の通り。慣性モーメント $I = mk^{2}$なので、これは各物体の慣性モーメントを質量で割った値に等しい。

物体変数回転軸$k^{2}$
細い棒長さ $a$棒の中心$\frac{1}{12}a^{2}$
細い棒長さ $a$棒の端$\frac{1}{3}a^{2}$
薄い長方形板辺 $a$, $b$辺 $b$に平行な中心軸$\frac{1}{12}a^{2}$
薄い長方形板辺 $a$, $b$板に垂直な中心軸$\frac{1}{12}(a^{2}+b^{2})$
円盤半径 $a$円盤の中心を通り円盤と平行な軸$\frac{1}{4}a^{2}$
円盤半径 $a$円盤の中心を通り円盤に垂直な軸$\frac{1}{2}a^{2}$
リング半径 $a$リングの中心を通りリングと平行な軸$\frac{1}{2}a^{2}$
リング半径 $a$リングの中心を通りリングに垂直な軸$a^{2}$
円筒殻半径 $a$, 長さ $b$中心の縦軸$a^{2}$
中実円筒半径 $a$, 長さ $b$中心の縦軸$\frac{1}{2}a^{2}$
中実円筒半径 $a$, 長さ $b$縦軸に垂直な中心軸$\frac{1}{4}a^{2}+\frac{1}{12}b^{2}$
球殻半径 $a$球の中心を通る軸$\frac{2}{3}a^{2}$
半径 $a$球の中心を通る軸$\frac{2}{5}a^{2}$

関連項目


  1. Grant R. Fowles and George L. Cassiday. Analytical Mechanics (7th Edition, 2005), p335-338. ↩︎