ラプラス分布の最尤推定量
📂確率分布論ラプラス分布の最尤推定量
定理
ラプラス分布に従うランダムサンプル X:=(X1,⋯,Xn)∼Laplace(μ,b)が与えられているとする。
(μ,b)に対する最尤推定量 (μ^,b^)は次の通り。
μ^=median(x1,⋯,xn)
b^=n1k=1∑n∣xk−μ∣
証明
ラプラス分布:
μ∈Rと b>0に対して、次のような確率密度関数を持つ連続確率分布 Laplace(μ,b)をラプラス分布Laplace distributionと呼ぶ。
f(x)=2b1exp(−b∣x−μ∣)
ログ尤度を求めると次の通りになる。
logL(μ,b;x)=logf(x;μ,b)=logk=1∏nf(xk;μ,b)=k=1∑nlogf(xk;μ,b)=k=1∑nlog(2b1exp(−b∣xk−μ∣))=−nlog2b−b1k=1∑n∣xk−μ∣
したがって、 μargmaxlogL(μ,b;x)を求めると、
μargmax(−nlog2b−b1k=1∑n∣xk−μ∣)=μargmax(−k=1∑n∣xk−μ∣)=μargmin(k=1∑n∣xk−μ∣)
絶対値を最小化するのは中央値なので、
μ^=median(x1,⋯,xn)
また、bargmaxlogL(μ,b;x)は次を満たす bである。
∂b∂logL(μ,b;x)=0
⟹−nb1+b21k=1∑n∣xk−μ∣=0
⟹b=n1k=1∑n∣xk−μ∣
⟹b^=n1k=1∑n∣xk−μ∣
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