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重力加速度 📂古典力学

重力加速度

定義

重力によって運動する物体の加速度を重力加速度gravitational accelerationという。

物体が(摩擦や空気抵抗などの他の外力なしで)地球の重力の影響だけで移動する時、この運動を自由落下運動free fall (motion)という。

説明

簡単に重力、重力場と言う場合は、大体地球の重力を意味する。地球の重力加速度は約9.8m/s29.8 \mathrm{m/s^{2}}であり、通常ggで表記する。この値は物体の質量とは無関係である。

他の外力がない状態で重力だけによって物体が移動するのを自由落下運動という。すなわち、重力加速度で加速する物体の運動を指す。

日常生活でよく使う言葉である重量weight, 中量とは、物体が受ける重力の大きさを指す。言い換えれば、地球の重力加速度をggとした時、地表近くで質量がmmの物体の重量はmgmgである。

地球の重力加速度1

便宜のために地球を球形と仮定し、質量がmmの物体が地表からhhだけ離れているとしよう。この物体が地球から受ける重力の大きさは万有引力の法則によって次のようになる。

F=GMEm(RE+h)2(1) F = G \dfrac{M_{E} m}{(R_{E} + h)^{2}} \tag{1}

この時、GG重力定数MEM_{E}は地球の質量、RER_{E}は地球の半径である。重力による物体の加速度をggと表記しよう。ニュートンの第二法則により物体の運動は次のように表される。

F=mg(2) F = mg \tag{2}

したがって、(1)(1)(2)(2)から次の式を得る。

mg=GMEm(RE+h)2    g=GME(RE+h)2 mg = G \dfrac{M_{E} m}{(R_{E} + h)^{2}} \implies g = G \dfrac{M_{E}}{(R_{E} + h)^{2}}

この式から重力加速度は運動する物体の質量とは無関係であることが分かる。物体が地表から離れた距離(高さ)hhは、地球の半径RER_{E}に比べれば無視できるほど小さい値である。したがって、再び以下のように置くことができる。

g=GMERE2 g = G \dfrac{M_{E}}{R_{E}^{2}}

これらは全て定数であるため、代入して計算すると次のものが得られる。

g=GMERE2=(6.671011m3kg1/s2)(5.971024kg)(6.37106m)2=9.81344 g = G \dfrac{M_{E}}{R_{E}^{2}} = \dfrac{(6.67 \cdot 10^{-11}\mathrm{m^{3}kg^{-1}/s^{2}}) (5.97\cdot 10^{24} \mathrm{kg})}{(6.37 \cdot 10^{6} \mathrm{m})^{2}} = 9.81344\mathrm{}


  1. Wolfgang Bauer and Gary D. Westfall, 대학물리학I(University Physics with Modern Physics, 대표역자 김인묵) (2011), p412 ↩︎