1/x^pの積分可能性
定理
関数$f(x) = \dfrac{1}{x^{p}}$の積分可能性は次の通りである。
$x \in (0,1]$の場合、$p \lt 1$ならば、$f$は積分可能である。
$x \in [1, \infty)$の場合、$p \gt 1$ならば、$f$は積分可能である。
説明
$x$が$1$より小さければ$p$も$1$より小さくなければならないし、$x$が$1$より大きければ$p$も$1$より大きくなると覚えておけばいい。
証明
$x \in (0,1]$の場合
$p \lt 1$の場合
$1 - p \gt 0$であるため、次のように収束する。
$$ \begin{align*} \int_{0}^{1} \dfrac{1}{x^p} dx &= \left. \dfrac{1}{-p+1} x^{1-p} \right|_{0}^{1} \\ &= \dfrac{1}{-p+1} \left( 1 - 0 \right) \\ &= \dfrac{1}{-p+1} \lt \infty \end{align*} $$
$p \gt 1$の場合
$p - 1 \gt 0$であるため、次のように収束する。
$$ \begin{align*} \int_{0}^{1} \dfrac{1}{x^p} dx &= \left. \dfrac{1}{-p+1} \dfrac{1}{x^{p-1}} \right|_{0}^{1} \\ &= \dfrac{1}{-p+1} \left( 1 - \infty \right) \\ &= \infty \end{align*} $$
$p = 1$の場合
次のように積分が発散する。
$$ \int_{0}^{1} \dfrac{1}{x} dx = \left. \log x \right|_{0}^{1} = \log 1 - (-\infty) = \infty $$
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$x \in [1, \infty)$の場合
$p \gt 1$の場合
$p - 1 \gt 0$であるため、次のように収束する。
$$ \begin{align*} \int_{1}^{\infty} \dfrac{1}{x^p} dx &= \left. \dfrac{1}{-p+1} \dfrac{1}{x^{p-1}} \right|_{1}^{\infty} \\ &= \dfrac{1}{-p+1} \left( \dfrac{1}{\infty^{p-1}} - 1 \right) \\ &= \dfrac{1}{p-1} \lt \infty \end{align*} $$
$p \lt 1$の場合
$ 1-p \gt 0$であるため、次のように発散する。
$$ \begin{align*} \int_{1}^{\infty} \dfrac{1}{x^p} dx &= \left. \dfrac{1}{-p+1} x^{1-p} \right|_{1}^{\infty} \\ &= \dfrac{1}{-p+1} \left( \infty^{1-p} - 1 \right) \\ &= \infty \end{align*} $$
$p = 1$の場合
次のように積分が発散する。
$$ \int_{1}^{\infty} \dfrac{1}{x} dx = \left. \log x \right|_{1}^{\infty} = \log(\infty) - \log 1 = \infty $$
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