二つのエルミート演算子の積がエルミート演算子である条件
定理
二つの演算子$A$、$B$をエルミート演算子とする。$A$、$B$が交換可能であれば、$AB$もエルミート演算子Hermitian operatorである。逆も成り立つ。
説明
逆の対偶を考えてみると、交換可能でない二つの演算子を掛けるとエルミート演算子ではないことがわかる。すなわち、次がすべて成り立つ。
- 定理: 二つのエルミート演算子$A,B$が交換可能であれば、$AB$もエルミート演算子である。
- 逆: $AB$がエルミート演算子であれば、$A$と$B$は交換可能である。
- 裏: 二つのエルミート演算子$A, B$が交換可能でなければ、$AB$はエルミートではない。
証明
$AB$がエルミート演算子であることを示すには、$(AB)^{\dagger} = AB$であることを示せばよい。$AB$は次の通りである。
$$ \begin{align*} && [A, B] &= AB - BA \\ \implies && AB &= BA + [A, B] \end{align*} $$
$(AB)^{\dagger}$を計算してみると次の通りである。
$$ (AB)^{\dagger} = (BA + [A, B])^{\dagger} = (BA)^{\dagger} + [A,B]^{\dagger} = AB + [A,B]^{\dagger} $$
仮定により$AB = BA$であるから、$[A,B]^{\dagger} = 0$であれば$(AB)^{\dagger} = AB$である。したがって、$[A,B]=0$であれば$[A,B]^{\dagger} = 0$であり、$AB$はエルミート演算子である。
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逆
$A,B$がエルミート演算子であるから、$(AB)^{\dagger}=B^{\dagger} A^{\dagger} = BA$である。このとき$AB$がエルミート演算子であれば、次が成り立つ。
$$ (AB)^{\dagger} = AB $$
したがって$AB=BA$である。
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