べき乗写像の零空間
📂線形代数べき乗写像の零空間
定理
n次元 ベクトル空間 上の線形変換 T:V→Vが冪零だとする。
Tp=T0
ここで、T0はゼロ変換だ。N(T)を Tの零空間とする。すると、次が成立する。
すべてのi∈Nに対して、N(Ti)⊂N(Ti+1)である。
1≤i≤p−1に対して、次を満たすN(Ti)たちの順序基底βiが存在する。
βi⊂βi+1
2.の方法で得られたN(Tp)=Vの順序基底をβ=βpとする。すると、行列表現[T]βは上三角行列である。
Tの特性多項式は(−1)ntnである。したがって、Tは分解され、Tの固有値は0だけである。
説明
零空間はVの部分空間なので、N(Ti)たちは徐々に大きくなるVの部分空間たちである。真の部分空間は最大p−1まで存在する。
{0}≤N(T1)≤N(T2)≤⋯≤N(Tp)=V
冪零の固有値が0だけであることは、別の証明で簡単に示すことができる。
証明
1.
もしTiv=0ならば、Ti+1v=TTiv=T0=0である。
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2.
N(T1)の順序基底の中から一つβ1を選ぼう。すると、1.の結果に基づいて、β1を拡張してN(T2)の順序基底になるβ2を得ることができる。これを繰り返してβiを得れば証明完了。
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