2025年春のオマカセ: 君の名は
紹介
韓国では3月に新しい学期が始まるため、この時期は新しい人々の名前を覚えることが多い。そこで今回は名前に関連したメニューを用意した。
メニュー
三角関数
三角関数は理工系の勉強をするときによく接する関数の一つ。しかしその名前について詳しく知っている人は少ないかもしれない。私の記憶では中学校の時に初めて学んだが、若すぎる年齢で学んだために「そうなんだ」と受け入れて名前を疑問に思うタイミングを逃してしまったのではないかと思う。
基本的な三角関数は次の通り:
$$ \begin{align*} \sin \theta &:= \dfrac{y}{\sqrt{x^{2}+y^{2}}} \\ \cos \theta &:= \dfrac{x}{\sqrt{x^{2}+y^{2}}} \\ \tan \theta &= \dfrac{y}{x} = \dfrac{\sin \theta}{\cos \theta} \end{align*}\qquad\qquad \begin{align*} \sec \theta &:= \dfrac{1}{\cos \theta} = \dfrac{\sqrt{x^{2}+y^{2}}}{x} \\ \csc \theta &:= \dfrac{1}{\sin \theta} = \dfrac{\sqrt{x^{2}+y^{2}}}{y} \\ \cot \theta &:= \dfrac{1}{\tan \theta} = \dfrac{x}{y} = \dfrac{\cos \theta}{\sin \theta} \end{align*} $$
これらは基本的に三角形と関係があり、幾何学的な意味から名前が由来することもある。これらの逆関数は$\sin^{-1}, \cos^{-1}$と表記されることもあるが、$\arcsin, \arccos$という表記がより多く使われる。なぜこのような名前が付けられたのだろうか?
三角関数の系列には双曲線関数hyperbolic functionと呼ばれるものもある。これらの表記法と定義は以下の通り。
$$ \begin{align*} \sinh \theta &:= \dfrac{e^{\theta} - e^{-\theta}}{2} \\ \cosh \theta &:= \dfrac{e^{\theta} + e^{-\theta}}{2} \\ \tanh \theta &:= \dfrac{\sinh \theta}{\cosh \theta} = \dfrac{e^{\theta} - e^{-\theta}}{e^{\theta} + e^{-\theta}} \\ \end{align*} $$
これらに関連する詳細な内容は以下で確認できる。
幾何
数学には「幾何」という言葉が付く名前が多い。幾何学から始まり、ユークリッド幾何学、微分幾何学、幾何平均、幾何級数、幾何分布などがある。しかしよく見ると、これらのうち「幾何学」ではないものは幾何学とは大きな関係がないように見える。直感的に幾何と関係がないように見えるものは以下の通り。
$$ \begin{align*} \footnotesize \text{기하 평균: }& \sqrt{ab} \\ \footnotesize \text{기하 급수: }& \sum_{n=0}^{\infty} ar^{n} = a + ar + ar^{2} + ar^{3} + \cdots \\ \footnotesize \text{기하 분포: }& p(x) = p(1-p)^{x-1}, \qquad (x = 1, 2, 3, \dots) \\ \end{align*} $$
$\sqrt{ab}$をなぜ幾何平均と呼ぶのかを簡単に説明すると以下の通り:
- 掛け算は面積を意味し、これはすなわち幾何である。
- 他の2つを掛けたものと1つを2回掛けたものが同じなら、それが(掛け算に関する)平均である。
詳細は下記の文書を参考にしよう。
幾何級数は初項が$a$、公比が$r$である等比数列$\left\{ ar^{n-1} \right\}$の無限和である。これを幾何級数と呼ぶ理由は、$n$番目の項が$n-1$番目の項と$n+1$番目の項の幾何平均になるためである。
$$ ar^{n} = \sqrt{(ar^{n-1})(ar^{n+1})} $$
幾何分布が幾何分布である理由は、その確率質量関数が等比数列の形を取るためである。
$$ p(x) = p(1-p)^{x-1}, \qquad x = 1, 2, 3, \dots $$
これは初項が$p$、等比が$1-p$である等比数列の$x$番目の項であり、等比数列は上で見たように幾何平均と関連があるため、この分布を幾何分布と呼ぶ。このように掛け算に関連する概念では幾何geometricという単語が自然に付いている。特に幾何級数的に増加するという言葉は日常でもよく使われ、ものすごく速く増加することを意味する。以下の図は和による増加($2+2+2+2+\cdots$)と積による増加$(2 \times 2 \times 2 \times 2 \cdots)$の違いを視覚的に示している。
$\cdot | \cdot$ 表記法
数学では$A | B$といった表記法は主に、$A$という対象を考慮するときに$B$という条件を満たすものに限定する場合に使われる。特に中高等学校時代から使われていた表記法なので馴染みがあるだろう。例えば、ある事件$A$が起こる確率は$P(A)$で表現し、すでに$B$という事件が起きたときに$A$が起こる条件付き確率は$P(A | B)$で表現する。似たような文脈は集合の条件提示法でも使われる。$n$次元のベクトルのうち、その大きさが$1$であるものを集めた集合は次のように表現する。
$$ \left\{ \mathbf{x} \in \mathbb{R}^{n} | \left\| \mathbf{x} \right\| = 1 \right\} $$
ここでも$|$左側は対象、右側は条件を意味する。もちろん集合の場合にはバー($|$)の代わりにコロン($:$)を使う表記法$\left\{ \mathbf{x} \in \mathbb{R}^{n} : \left\| \mathbf{x} \right\| = 1 \right\}$も主要に使われる。もう一つの例として縮小写像restrictionがある。$f : X \to Y$という関数があるとき、$f$の定義域を$A$に制限した関数を$f|_{A}$と表記する。つまり$f|_{A}$は関数値が$f$と同じだが、定義域の条件を$A$にしたものである。
上記の事例で示すように、$A|B$といった表記法は$|$の左にあるか右にあるかという位置が重要な意味を持つ。前に説明したものと同じ文脈ではないが、整数論で$a$が$b$を割ると言う時も$a|b$と表記され、そのため$b|a$とは全く意味が異なる。
その他
一つのカテゴリーでまとめにくいメニューをここに準備した。表記法や名前が直感と合わず気になるものを集めてみた。