商空間への写像
定理1
$V$をベクトル空間、$W \le V$を部分空間とする。関数$\eta$を次のように定義する。
$$ \begin{align*} \eta : V &\to V/W \\ v &\mapsto v + W \end{align*} $$
この場合、$V/W$は$V$の商空間である。すると
$V$が有限次元であれば、
$$ \begin{equation} \dim(W) + \dim(V/W) = \dim(V) \end{equation} $$
説明
次元に関する結果$(1)$は別の証明でも得られる。
証明
以下が成り立つため、$\eta$は線形変換である。
$$ \begin{align*} \eta (av + u) &= (av + u) + W \\ &= (av + W) + (u + W) \\ &= a(v + W) + (u + W) \\ &= a\eta (v) + \eta (u) \\ \end{align*} $$
$V/W$の零ベクトルは$W$である。任意の$w \in W$に対して$w + W = W$が成り立つので、$N(\eta) = W$である。また、任意の$v + W \in V/W$に対して$v \in V$が存在するので、$\eta$の値域は$R(\eta) = V/W$である。すると次元定理により、
$$ \begin{align*} &&\rank(\eta) + \nullity(\eta) &= \dim(V) \\ \implies &&\dim(R(\eta)) + \dim(N(\eta)) &= \dim(V) \\ \implies &&\dim(V/W) + \dim(W) &= \dim(V) \\ \end{align*} $$
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Stephen H. Friedberg, Linear Algebra (4th Edition, 2002), p79 ↩︎