対角化可能な線形変換の特性多項式は因数分解される
📂線形代数対角化可能な線形変換の特性多項式は因数分解される
定義
P(F)の多項式が**F 上で分解される**split over Fとは、次を満たす定数c,a1,…,an∈Fが存在することを意味する。
f(t)=c(t−a1)(t−a2)⋯(t−an)
分解されるf(t)がある線形変換Tや行列Aの固有多項式である場合、T(またはA)が分解されると言う。
説明
定義により、T:V→Vの固有多項式が分解される場合、Tはn=dim(V)個の固有値を持つ。(異なるとは言っていない)
簡単な例としてf(t)=t2+1=(t−i)(t+i)はR上で分解できない。
定理
任意の対角化可能な線形変換の固有多項式は分解される。
証明
Vをn次元のベクトル空間、T:V→Vを対角化可能な線形変換とする。βを[T]β=Dが対角行列になるようにする順序基底とする。
D=λ10⋮00λ1⋮0⋯⋯⋱⋯00⋮λn
そしてf(t)をTの固有多項式とする。すると、固有多項式は順序基底の選択に依存しないので、
f(t)=det(D−tI)=detλ1−t0⋮00λ1−t⋮0⋯⋯⋱⋯00⋮λn−t=(λ1−t)(λ2−t)⋯(λn−t)=(−1)n(t−λ1)(t−λ2)⋯(t−λn)
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