logo

対角化可能な線型変換 📂線形代数

対角化可能な線型変換

定義 1

$V$を有限次元ベクトル空間とする。$T : V \to V$を線形変換とする。$T$の行列表示$\begin{bmatrix} T \end{bmatrix}_{\beta}$が対角行列になるような順序基底$\beta$が存在する場合、$T$は対角化可能diagonalizeableであると言われる。

正方行列$A$について、$L_{A}$が対角化可能であれば、行列$A$は対角化可能であると言われる。

説明

線形変換$T : V \to V$が対角化可能だとしよう。$\beta = \left\{ v_{1}, \dots, v_{n} \right\}$を$V$の順序基底とする。そして$D = \begin{bmatrix} T \end{bmatrix}_{\beta}$が対角行列であるとする。その場合、各$v_{j} \in \beta$に対して、次のことを得る。

$$ T(v_{j}) = \sum_{i} D_{ij} v_{i} = D_{jj}v_{j} $$

この時$\lambda_{j} = D_{jj}$と言われる場合、

$$ T(v_{j}) = \lambda_{j} v_{j} $$

$\begin{bmatrix} T \end{bmatrix}_{\beta}$を対角行列にする順序基底の要素は、このような特別な方程式の形を満たすようになる。したがって、このような順序基底$\beta$によって表されるベクトルは、単に各成分にスカラー$\lambda_{j}$を掛けるだけで、線形変換$T$を適用したのと同じになる。この特別なベクトル$v_{j}$とスカラー$\lambda_{j}$を、我々は固有ベクトル固有値と呼ぶ。したがって、対角化可能な条件を固有値と関連づけると、

$n$個の線形独立な固有ベクトルの存在 = 固有ベクトルで構成される基底の存在 $\iff$ 対角化可能


  1. Stephen H. Friedberg, Linear Algebra (4th版, 2002), p245-246 ↩︎