左乗算変換(行列変換)
📂線形代数左乗算変換(行列変換)
定義
体 Fについて、A∈Mm×n(F)としよう。以下のように定義されるLAを左側乗算変換left-multiplication transformationという。
LA:Fnx→Fm↦Ax
この時、AxはAとxの行列の積である。
説明
体について話して、行列変換をもっと抽象的に記述したものである。
定理
A∈Mm×n(F)としよう。そうすると、LAは線形変換である。また、B∈Mm×n(F)とβ,γがそれぞれFn,Fmの標準順序基底である時、以下が成り立つ。
(a) [LA]βγ=A
(b) LA=LB⟺A=B
(c) LA+B=LA+LBかつLaA=aLA∀a∈Fであれば、
(d) もしT:Fn→Fmが線形変換なら、T=LCであるようなm×n行列Cが存在する。(実際にはC=[T]βγである)
(e) もしEをn×p行列とするなら、LAE=LALEである。
(f) もしm=nならば、LIn=IFnである。この時、左辺のInはn×n単位行列であり、右辺のIFnはIFn:Fn→Fn単位変換である。