logo

フルランク行列の性質 📂行列代数

フルランク行列の性質

統括1

AAm×nm \times n行列としよう。すると、AAフルランクを持つための必要十分条件はATAA^{T}A可逆行列であることだ。

証明

  • ()(\Longrightarrow)

    AAがフルランクを持つと仮定しよう。ATAA^{T}An×nn \times n正方行列なので、線形系 ATAx=0A^{T}A \mathbf{x} = \mathbf{0}自明解のみを持つことを示せば良い。これは可逆である同値条件による。x\mathbf{x}を任意の解とすると、AxA \mathbf{x}ATA^{T}零空間に属する。また、AxA \mathbf{x}AA列空間に属する。だが、この2つは互いに直交補空間である。

    直交補空間の性質

    WW={0} W \cap W^{\perp} = \left\{ \mathbf{0} \right\}

    したがって、Ax=0A \mathbf{x} = \mathbf{0}である。しかし、AAがフルランクを持つと仮定したので、これを満たすx\mathbf{x}は自明解のみである。したがって、ATAA^{T}Aは可逆である。

  • ()(\Longleftarrow)

    ATAA^{T}Aが可逆であると仮定しよう。すると、以下の線形系は自明解のみを持つ。

    ATAx=0 A^{T}A \mathbf{x} = \mathbf{0}

    すると、Ax=0A \mathbf{x} = \mathbf{0}が成立し、この線形系も自明解のみを持つことになる。したがって、同値条件により、AAはフルランクを持つ。


  1. Howard Anton, Elementary Linear Algebra: Aplications Version (12th Edition, 2019), p422 ↩︎