元素
定義1
原子核の中の陽子の個数が等しい原子の種類を元素elementという。
説明
元素を分ける基準となる原子核の中の陽子の個数を原子番号atomic numberといい、$Z$で表す。原子番号と元素は一対一に対応し、各元素には$\mathrm{H}$(水素、$Z=1$)、$\mathrm{C}$(炭素、$Z=6$)、$\mathrm{O}$(酸素、$Z=8$)のように一、二文字の元素記号が付けられる。現在までに原子番号$1$から$118$までの$118$種の元素が確認されている。元素を原子番号順に並べつつ、化学的性質の似た元素同士が同じ列に来るように配置した表を周期表periodic tableという。
元素と原子の区別
元素elementと原子はしばしば混用されるが、両者は区別される概念である。
- 元素は原子の種類を指す概念である。水素、酸素、炭素のように分類された名前がすなわち元素である。
- 原子はその元素に該当する実際の粒子一つ一つを指す。
例えば「水素」は元素であり、「水分子の中の水素原子二つ」というときのそれぞれは原子である。生物の種の分類に例えるなら、元素は「ホモ・サピエンス」という種に該当し、原子は一人一人の人間に該当する。
なぜ陽子の個数なのか
原子は陽子、中性子、電子からなるが、元素を決めるのはそのうち陽子の個数だけである。
- 電子の個数は、原子が電子を失ったり得たりしてイオンになると変わる。しかしナトリウム原子が電子一つを失ったナトリウムイオン$\mathrm{Na}^{+}$も依然としてナトリウムである。
- 中性子の個数は同じ元素の中でも原子ごとに異なりうる(下の同位体)。
- 陽子の個数が変わると原子核の電荷が変わり、電気的に中性であるときに捕まえる電子の個数も変わる。原子の化学的性質は電子の個数と配置によって決まるので、陽子の個数が異なれば化学的性質がまったく異なる物質になる。
すなわち陽子の個数は、原子の化学的性質を決定しながらも化学反応では変化しない量である。
同位体
原子番号は同じだが中性子の個数が異なり、質量数が異なる原子同士を同位体isotopeという。質量数$A$は陽子の個数と中性子の個数を足したものである。例えば水素には次の三つの同位体がある。
| 名前 | 表記 | 陽子 | 中性子 | 質量数 |
|---|---|---|---|---|
| 水素(軽水素) | $^{1}\mathrm{H}$ | $1$ | $0$ | $1$ |
| 重水素 | $^{2}\mathrm{H}$ | $1$ | $1$ | $2$ |
| 三重水素 | $^{3}\mathrm{H}$ | $1$ | $2$ | $3$ |
同位体は電子の個数と配置が同じなので化学的性質はほぼ同じであり、質量と原子核の安定性が異なる。例えば三重水素は原子核が不安定で、時間が経つと放射性崩壊をする。
関連リンク
국제순수응용화학연맹(IUPAC): https://goldbook.iupac.org/terms/view/C01022 ↩︎
